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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第39章 苦しむ熱、寄り添う想い ※


だから、話した。

ヴィラン連合で何があったのか。

どんな扱いを受けたのか。

そして今、自分がどんな状態なのか。

言葉を選びながら、なるべく感情を乗せないように。
淡々と。

話し終えた頃には部屋が静まり返っていた。

マイクは何も言わない。

ただ、その表情だけが変わっていた。

驚き、怒り、そして。
どうしようもない後悔。

全部が混ざったような顔。

マ「……っ」

マイクは乱暴に髪をかき上げる。

今にも何かを壊しそうな顔だった。

けれど次の瞬間、強くを抱き寄せた。

壊れ物を扱うみたいに。

優しく。
それでいて離さないように。

マ「ごめんな……」

掠れた声だった。

は目を瞬かせる。

「……なんで、ひざしさんが謝るんですか」

マ「ごめんなァ……」

守れなかった。
気付いてやれなかった。
こんな話をさせてしまった。

そんな想いが滲んでいた。

は何も言わなかった。

代わりに、そっとマイクの背中へ腕を回す。
ぎゅっと抱き締め返した。

あの時のことを思い出す。

決して良い記憶ではない。

怖かった。
苦しかった。
嫌だった。

けれど、不思議と。
思い出すのは恐怖だけじゃなかった。

手の温度、ふとした優しさ。

敵であるはずなのに見せた人間らしさ。

理解したくはない。

許したいわけでもない。

それでも、あの場所で触れた感情は、簡単に憎しみだけへ塗り替えられるものではなかった。

マイクは、抱えているものを少しでも分けてほしいと願うように、抱きしめる腕に力を入れた。

その後、の髪にそっと口付けた。

マ「ちゃんと頼れよ」

低い声が耳元に落ちる。

マ「相澤だけじゃなくて。このことだけじゃなくて」

「…はい」

マ「約束な」

は小さく頷いた。

その返事を聞いて、マイクは満足そうに笑う。

本当は、もっと欲しかった。
もっと近くにいたかった。
特別になりたかった。

けれど、今はこれでいいと思った。

が笑っている。

それだけで十分だった。

マイクはそっと目を閉じる。

腕の中の温もりを確かめるように。

失わないように。
忘れないように。

静かに。

静かに。

抱き締めた。
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