第32章 重なる体温、隠せない愛 ※
何度も何度も、唇が重なって深く混ざり合う。
「んっ…はぁっ、ん…」
名残惜しそうに唇が離れる。
相「…そろそろ、いいか」
が小さく頷くと、相澤は引き出しへと手を伸ばす。
この部屋が出来た時に、入れておいた。
いつ発作が起きるかわからない状態で、いつ起きても対応できるようにと、の部屋に置いておいた。
相「…………」
まだ一度も使ったことはなかったはずなのに。
箱の封は、雑に開いていた。
相(…………爆豪か)
少し前のことを思い出す。
あの日は任務で居なくてを助けてやれなかった。
誰も悪くない。
発作が起きてしまうのは仕方ないし、衝動は抑えれない。
好きな人が目の前でそんな状態だったら助けたいと思うのは当然。
そして任務は外せない、プロヒーローとしてやっているからにはすぐに現場に向かわなければならない。
誰も責めることができないはずなのに。
には独占欲が。
を抱いた爆豪には嫉妬心が。
そして傍に居れなかった自分に怒りが。
それぞれの想いが湧き上がってくる。
「あ…消太さん…、それ…」
相澤の様子に気付いた。
申し訳なさそうに眉を下げる。
相「あぁ……、わかってる。わかってるんだ………なのに」
相澤は雑に開けられた箱から、四角い袋を1つちぎってに覆いかぶさった。
相「どうしたらいいのかわからん…」
「っ……、ごめんなさい…」
か細い声を漏らしたに、慌てて相澤は訂正する。
相「違う、が謝ることじゃない…。だが、傍に居てやれない時がまたきっと来る…。その時、また…」
「その時は薬飲んで寝て待ってます」