第30章 抑えきれない嫉妬、理性の果て ※
ドアが閉まった途端、背中が壁に押し当てられた。
決して乱暴ではない。
まるで逃がさないように、でも壊れないように。
そんな手の強さだった。
「……っ、消太さん……」
相澤の顔がすぐそこにある。
息がかかるほど近く、黒い瞳がまっすぐ見下ろしていた。
相「どうして、あいつに触れさせた」
低い声。
怒鳴り声じゃないのに、心臓の奥まで響くような重さがあった。
「ごめ…っ」
気づけば唇が重なっていた。
すぐに相澤の舌が口を割って入ってきた。
「んんっ…」
壁に押し付けられていて動けない。
小さな熱が、どんどん大きくなっていく。
「ん、っはぁ…」
唇が離れた瞬間、息を呑むほど近い距離で、相澤の瞳がを射抜いた。
その瞳の奥には、怒りでも悲しみでもない。
もっと厄介で苦しい、嫉妬が燃えていた。
相「…」
責めるようで、でもどこか苦しげなその声に、胸が締めつけられる。
相「…悪い。俺が…、行くのが遅くなった」
その一言に、は何も言えなくなった。
怒りと、嫉妬と、後悔と……全部を飲み込んだような瞳。
手のひらから伝わる熱が、静かに震えていた。
「違います…」
相「違わない。俺が早く着けていれば轟を頼ることはなかった」
絞り出すように吐き出された言葉。
その瞳の奥には、嫉妬と後悔、そしてどうしようもないほどの“独占欲”が揺れていた。
「……」
なんて言ったらいいのかがわからない。
相澤は決して悪くない。
なのに相澤は自分を責めている。
はそっと相澤の頬に手を添え、泣きそうに微笑んだ。
「…消太さんは…、悪くないです…。私が…ごめんなさい」
その声に、相澤の呼吸が一瞬止まる。
見下ろす瞳の奥で、激情が静かに揺らめいた。