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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第29章 静かな熱、寄り添う心 ※


ピンポーン

2人だけの幸せな時間の終わりを告げる音がした。

ドンドン

重い音が玄関を叩く。

轟「来たな…相澤先生」

「っ…」

その名前を聞いただけでなぜかの胸はぎゅっとなった。

轟とは2人で玄関まで一緒に向かった。

轟が鍵を開けたとたん、ガラガラ!っと思っきり扉が開いた。

相「!!!」

いつもの冷静な相澤とは違い、荒い息を吐きながら立っていた。
目の下には深いクマ、額には薄く汗。
本気で、必死にここまで来たのがわかる。

そして一瞬で、空気が変わった。
視線が交わる。

相澤は、2人を見ただけで全てを察した。

目を逸らす。
まっすぐに見返す轟。

その対比がすべてを物語っていた。
の瞳には後悔と恐れが、轟の瞳には覚悟と決意が宿っている。

一拍の沈黙。
相澤の喉がかすかに鳴った。

相「………、もう、大丈夫なのか?」

「は、い…っ」

相「…帰るぞ。荷物取ってこい」

低く、静かな声。
怒鳴りもせず、詰問もせず。
けれどその声音には、確かな“怒り”と“心配”、そして“嫉妬”が滲んでいた。

は何も言えず、ただ小さく頷く。
背を向けたその肩が、震えていた。

が部屋に消えると、玄関には重い沈黙が落ちた。
相澤と轟、ただ二人。
視線がぶつかる。

相「……全部、聞いたのか」

轟「いえ。全部俺の予想です。でも、俺が、を守りたい。それだけです」

その声に迷いはなかった。
相澤は目を細め、深く息を吐く。

相「守るってのは、ただ抱きしめることじゃない。…お前はまだ子供だ」

轟「それでも、何もしない大人よりマシです」

一瞬、空気が張り詰めた。
だが相澤はそれ以上言わず、ただ低く呟く。

相「……後で、ちゃんと話す。も、お前も」

その声には、怒りよりも痛みが滲んでいた。

が荷物を取って戻ってきた。
相澤はの手を掴み、ぐっと引き車まで連れて行く。
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