第27章 近付く距離、越えられない壁
まだ夏休みの真っ只中、新しい生活が始まる。
雄英敷地内、校舎から徒歩5分。
築3日の学生寮。
”ハイツアライアンス”
ここが新たな生徒たちの家となった。
この寮制は生徒の安全を確保するだけではない。
教師用の宿舎も作られ、教師たちもまたそこに身を置いた。
は安全のため、専用の部屋まで作られた。
そしてこれは拭えぬ脅威、内通者を見極めるものでもあった。
教師だけでなく生徒にまで疑いの目を向けるのは辛いことだったが、仕方のないことだった。
相澤とは、A組の寮の前で生徒たちを待っていた。
そこにいち早く来たのは爆豪。
爆「!!」
すぐに駆け寄ってくる。
爆「あれから電話もメールも返さねぇで、どれっだけ心配したと思ってんだ!?あぁ!?」
「ごめんね勝己…。色々バタバタしてて…」
は少し申し訳なさそうに笑う。
相「も大変だったんだ。落ち着けそう怒るな」
その様子を横目で見た相澤は、落ち着いた声で制す。
爆(まただ)
爆豪の目に、怒りと悔しさと焦燥が混ざる。
相澤は大人で、同僚で、の事情を誰よりも知っている。
その壁は厚く、爆豪の手の届かないところにある。
自分がどれだけ必死でも、の安全と心を守る大人の力には勝てない。
その現実が、胸を締めつける。
と連絡が取れなくて悶々としている時も、同じ教師である相澤はの傍にいたのだろうか。
助けたのは自分なのに。
どうにもできない、”教師と生徒”の、”成人と未成年”の分厚く高い壁が立ちはだかる。
爆「とにかく、無事…なんだな?」
「うん、心配してくれてありがとね勝己」
爆「クソが…」
それからどんどん生徒たちが集まってくる。
上「先生!大丈夫なんですか!?」
八「心配しました…」
みんな、を思う言葉をかける。