第26章 好きの意味、戻る日々
眠りからさめると、心地よい温もりに包まれているのを感じた。
隣を見ると、静かに眠っている相澤の姿。
「っ…」
昨日のことが鮮明に頭に浮かんできた。
激しく、強くその腕で抱かれた。
我も忘れてしまうほど、夢中になって、とても気持ちよかった。
同時に、申し訳ない気持ちも沸いてくる。
無理をさせてしまったんではないか、付き合ってもいないのに本当は嫌だったのではないか。
そしてはふと思い出した。
(はじめて…だったな)
死柄木と荼毘に奪われなかったの本当の純白は、昨日相澤の手によって純白ではなくなった。
でも、あの2人に奪われるより、比べるまでもない。
(好きって…なんだろう)
相澤と居ると落ち着くし、胸がドキドキする。
信頼もしているし、信頼してくれている自信も多少はある。
でも脳裏に浮かぶ、真っ直ぐ愛を伝えてくれる人、不器用だけど素直で優しく愛を伝えてくれる人。
もう随分と会ってないし連絡も取っていないが、ずっと忘れられない、軽口でマイペースだけど、優しく包み込んでくれたあの人。
そして今隣で寝ている、少し無愛想だけど優しくて生徒思いで大きな手でいつも安心させてくれる人。
みんな、好きか?と聞かれれば好きだし、じゃあその中で誰が1番なのか?と聞かれるとわからない。
生徒と教師としての一線はある。
けれど、もしその線がなかったら?
その時、自分の気持ちはどうなるんだろう。
(もうわかんないや…)
頭がぐるぐるして考えられなくなってきた。
相「…」
相澤が目を覚ます。
「消太さん…、昨日は…その…」
言葉が喉でつかえる。
恥ずかしさで視線を逸らすと、相澤が大きな手でそっと頭を撫でた。
相「…俺がしたくてしたんだ。悪かった。体は大丈夫か?」
ほら、優しい。
また胸がじんと熱くなる。
そんな相澤の優しさに甘えて、は微笑んだ。
「ありがとうございます、大丈夫です」