第24章 歪められた身体、蝕む熱
は深い眠りの中にいた。
静かな電子音だけが、の存在を確かめるように響いている。
体はようやく休まっているはずなのに――
意識の底では、何かがざわめいていた。
暗闇。
遠くで誰かの声がする。
霞んだ視界の中、2つの手が、ゆっくりとこちらへ伸びてくる。
「「」」
死柄木と荼毘の低い声が、どこからともなく響いた。
まるでの心を覗くように、静かで、でも確かにそこにある声。
眠っているはずなのに、その声で体の奥がぞくぞくと疼いてくるのを感じた。
怖かったはずなのに、嫌だったはずなのに。
何故か2人の手は乱暴ではなく優しかったのを思い出す。
はまだ、深い眠りについたままだった。
一方、無理矢理あの場から逃がされた死柄木はため息をついていた。
死「先生……」
目の前でを奪われ、オールマイトに自分の恩人がやられたのをニュースで見た。
死「絶対に…また……奪ってやる」
死柄木はの温もりを忘れられなかった。
それは荼毘も同じ。
意識朦朧の中、荼毘の瞳を見て燈矢の名前が出てきた。
自分の中に眠っているもう1人の自分。
純粋にヒーローになりたくて、純粋にのことが好きだった。
の中には燈矢がまだ生きていた。
それがたまらなく嬉しく、だけど腹立たしい。
死柄木と荼毘のへの執着は、愛か、狂気か。
その境界が、少しずつ崩れはじめていた。