第23章 取り戻した光、残る傷跡
ようやく安全圏まで辿り着いた緑谷たちは、その場に倒れ込むように膝をついた。
緑谷はのそばに膝をつき、震える手での髪を払いのける。
緑「ちゃん……っ、大丈夫……もう、誰も……」
言葉が途中で詰まった。涙がこぼれる。
爆豪はの手を強く握りしめていた。
爆「っ…、クソっ」
声は掠れて震えている。怒鳴るようで、泣きそうで。
轟は無言での肩に手を置いた。
その手は冷たいのに、優しかった。
目の奥では、まだ怒りが燃えている。
“こんな目に、二度と遭わせない”――そんな誓いが滲んでいた。
「……みん、な……無事……?」
一瞬の静寂。
爆「いっつも…!!!自分より人の事…!!自分を心配しやがれやっ!!」
爆豪は息を荒くしながらも、咄嗟に叫ぶ。
轟も頷き、震える声で胸を抑えながら続けた。
轟「…、皆無事だから…頼むから……。心臓がっ…いてぇ」
飯「さんっ…本当に………心配しました…っ。俺っ…俺!!!!」
皆のストッパーとなれるように、と感情を必死に抑えていた飯田は気持ちが溢れ出す。
は小さく微笑み、ゆっくりと目を閉じる。
今度こそ、穏やかに眠るように。
体はまだ熱く、手足も重いが、その腕の中はあたたかく、安心に満ちていた。
すぐに連絡していた救助隊が駆けつけ、は担架に乗せられた。
サイレンが遠のいていく。
目の前にはオールマイトとAFOの戦いが中継されている。
そこにはかつての姿とは程遠い、やせ細ったオールマイトの姿があった。
それでも。
頑張れ、頑張れ!!
負けないで!オールマイト!
国民の声が夜空に響く。
緑「勝って!オールマイト!」
爆「勝てや!オールマイト!」
2人の声も、一緒に響く。
激闘の末、オールマイトが勝利した。
たが、オールマイトのヒーロー人生はここで幕を閉じた。