第23章 取り戻した光、残る傷跡
発信機の反応は、すぐに途切れてしまったが、場所はもう把握済。
もどかしいほど時間だけが過ぎていく。
報告を待つ指先が震える。
焦燥と怒りと、どうしようもない無力感が混じり合う。
相(…準備が整い次第、すぐに動く。必ずだ)
そう心の奥で繰り返すたび、燃えるような決意が胸を満たしていった。
静寂を裂くように、机の上の携帯が震える。
画面には、ひとつの名──“根津校長”。
相澤は深く息を吸い、立ち上がる。
そして今、救出のための作戦が始まろうとしていた。
警察とプロヒーローたちが協力し、作戦を練り上げる。
それを聞いた相澤はただただ悔しかった。
自分とブラド、そして校長がマスコミ対応をしている最中に、プロヒーローたちがヴィランのアジトへ突入するという計画。
最も合理的で、被害を最小限に抑えられる。それは理解している。
理解しているはずなのに。
自分が現場に行けない、それがなにより悔しい。
拳を握る手に力がこもり、爪が掌に食い込む
相「…わかり、ました」
絞り出すように言うことしかできなかった。
事件から、もう二日が経とうとしていた。
生徒たちもまた、を助けたい一心で胸を焦がしていた。
爆「どーにかしてを助けに行きてぇ」
轟「奇遇だな爆豪、俺もだ」
飯「何を言っているんだ君たち!」
緑「オールマイトが言ってたんだ。手の届かない場所には助けに行けないって…。だから手の届く範囲は必ず助け出すんだ。僕は、手の届く場所に居た。必ず助けなきゃいけなかった…。僕の個性はそのための個性なんだ……僕は…ちゃんを……」
目から大粒の涙が流れる。
麗「……先生、最近ネックレスつけてて私気になって。誰かからもらったんかなーって…。それでこの前聞いてみたら、これは発信機みたいなもの、何かあった時にって相澤先生からもらったって…そう言ってた」
「「「「!!!!」」」」
爆豪と轟の胸中に走ったのは、嫉妬と、そして微かな希望。
その発信機こそが、を救い出すための唯一の光になるかもしれない。