第7章 君に負けたくない
テープで引き落とされ、上空の優位を失った私たち。
けれど地上に降りたっても――止まる理由なんてない。
緑谷が声を張った。
「まずはかっちゃんを振り切るよ!真っ正面から来るはずだ!」
「黒影、正面抑える」
常闇くんが黒影を大きく前に広げ、爆豪チームの突撃に備える。
その瞬間、爆豪が真正面から猛突進してきた。
「どけえええッ!!1000万、よこせェェ!!」
爆豪の突進を黒影が受け止め、私とお茶子ちゃんが全力で後ろから支える。
その圧は想像以上で、足が地面にめり込むほど。
「チッ、粘るなぁ……!」
バチバチと火花を散らせながら、爆豪の手が伸びてくる。
緑谷がそれを避ける――ギリギリでかわしながら、睨み合いが続いた。
……と、そのときだった。
『……爆豪くん、うしろっ!!』
「はァ!?!?」
気づいた瞬間には、もう遅かった。
爆豪の背後から、B組の生徒がひとり、ぬるりと現れ――
まるで隠し持っていたかのように、爆豪のハチマキをスルッと抜き取った。
「悪いねぇ、隙だらけだよ!」
「てめっ……!!!!」
爆豪が振り向いたときには、もうB組の騎馬は引き返し始めていた。
瀬呂くんが叫ぶ。
「やば、爆豪!そっち行く気!?」
「当たり前だ!!返しやがれクソがあああ!!」
怒りを爆破と共に爆発させながら、爆豪はそっちへ突進。
爆豪チームが戦線を離脱する――
まるで入れ替わりを狙ったように、冷たい空気が背筋を撫でた。
そして
「星野、気をつけろよ」
前方から、轟くんの声。
氷の足場を広げながら、静かにこちらへ向かってくる。
その足元には、飯田くん・八百万さん・上鳴くんの騎馬。
轟くんの視線は真っ直ぐ、冷ややかに私と緑谷を捉えていた。
『……っ、』
緑谷が唾をのむ。
「まず…このタイミングで、轟くんが……!」
プレゼントマイク「おぉっとォ!これは…大本命チームがここで出陣だぁぁ!!
氷とスピードと創造の合わせ技!!万全の布陣が1000万を狙う!!」
相澤先生「順当だな。冷静な判断だ」
常闇くんが黒影を広げる。
「一瞬の隙でも取られる。」
お茶子ちゃんが私の腕をぎゅっと握った。
「……やるしかないっ!」
『うん――全力で、守るよ』
真正面から迫る轟チーム。
爆豪の炎とは真逆の、氷と計算の猛攻が始まる――!