第12章 期末テスト
それから2週間ほど経った。
は時折相澤に見てもらいながら、勉強に励んだ。
は個性を使って、脳を最大限活性化して勉強を続けていた。
個性を使うともちろん体力は消耗する。
それをしながら勉強に励む。
疲れてないわけがなかった。
「眠すぎる…少しだけ…15分だけ仮眠しよう」
はそう言って目を瞑った。
ふと図書室前を通りかかった爆豪は、開いた扉の隙間から、机に突っ伏して眠るを目にした。
爆「……チッ」
知らねぇ、関係ねぇ。
そう思ったはずだった。
……が、気づけば、足が勝手に動いていた。
静まり返った図書室。
近づくと、は眉を寄せたまま、浅い眠りに落ちていた。
爆「……バカが」
悪態をつきながらも、ふと机の上に広げられたノートに目を落とす。
そこに並んでいたのは――
中学で習う文字や公式ばかり。
爆「……ここからかよ」
爆(学校、行ってなかったからか…)
思わず、口の中で呟いた。
完璧主義で、何でも器用にこなすと思っていたあいつにも
こんな“穴”があった。
けど――
それを、自分で埋めようとしている。
爆(……ったく)
鉛筆を手に取り、近くの椅子を引き、の向かいの席に座る。
簡単にできるコツと、自分ならこうやるってやり方をノートの隅に書き込んだ。
その途中――
「……ん……」
かすかに、が目を開ける。
「……爆豪…くん……?」
半分眠たげな声で、こちらを見た。
爆豪は驚いた。
爆「!?」
自分がこんな風にしているところを見られたくなかった爆豪は、嘘をついた。
爆「……夢だ」
ぶっきらぼうに言いながら、書きかけのノートを閉じる。
爆「終わったら起こしてやる。……もう少し寝とけ」
ぽん、と軽く机を叩くと、は微かに頷いて、また目を閉じた。
――その様子を、図書室前の廊下から相澤は静かに見ていた。
相(……爆豪、お前……)
胸の奥にチクリと刺す痛みと共に、嬉しさとも、ほんの少しの寂しさともつかない何かが、ふっと生まれていた。