すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第24章 気付く変化
「あれだけの状況で…付き合っていないっていうんですか?」
「ん、恋人でも、彼氏でも…彼女でもない。」
「……ッ」
それは事実…自分でしっかりと分かっていたのに…口にしたらしたで悲しくなる…解ってる…それでもいいって…私が言った。
それでもいいから傍に居たい…そう思ってたのに…
「隠す必要が無いっていう感じでも…?」
「ん。」
「社内恋愛が禁止だから…って…立場的にも…それだけで隠そうとしてるって事ですか?」
「ううん…本当に隠してるとかじゃない…」
「……どちらにしても…」
そこで一旦言葉が途切れた。すぐに彼女が続けなかった理由もよくわかる…
言ったら…止められないから…ーーー
「…気を付けてください…」
最後にそう言った。でもその目は『やめろ』とか『引け』というものではなかった。ただ…
『立場を超えて、社則を超えて…それでも覚悟があるんですか?』
と問うものだった。
『噂はもう…点だけじゃないんですよ…』
と念押すような…
それだけ告げて静かすぎるほどに去っていった。その背中を見ながらもひとり残る廊下でゆっくりと背筋を伸ばした。怖さは不思議となかった。むしろ第三者の声として聴いたからこそはっきりした。
もう…後戻りはできない…
好きだって思い合えてる……
それでも関係は曖昧で…
恋人とかカレカノなんて名前は付かなくて…
だけど…
体を重ねて…キスを交わして…
行動は…すべて恋人そのもの…
いつかは…なんて思いながらも未だ今はその時じゃない。曖昧過ぎても…誰に聞かれても付き合ってないと言える距離…
これが唯一の今の逃げ道なのかもしれない…そう思い始めた…