すき…キス…ミルフィーユ~秘書は代表と絶賛同居中!~
第20章 残酷な朝
「だって…さっき…」
「あぁ、言ったよ。立場があるってな?だけど…それは社長としての立場だ。男としてじゃない…」
「…ッ」
「どれだけ…言われたと思う…諒に…千紘に…!馬鹿みたいに煽られて…それなのに…俺が動くわけには行かねぇだろ…」
「…住吉…さん…」
ごくっと…ただ凜桜の喉にはゆっくりと唾液が通る…ーーー目の前には見たことも無い位の表情の住吉がいた。
フッと顔の横に付いていた住吉の手が凜桜の頬を撫で、親指はきゅっと唇をなぞる。それだけで凜桜の体はピクリと反応を返していく。
「…瀬乃と一緒に居て…それでも帰ってくるって思ってた…それでも帰ってこなくて…終電回った後でも連絡なかったからもう決定的だって…それでも追うのは違う…そう思ってたけど…戻ってきてすぐに俺の知らない香り付けられてたら…」
そこまで言えばゆっくりと住吉は顔を近付けてくる。ふわりと重なる唇。さっきまでの強引なものではなかった。
「…ン…」
小さく凜桜の息が漏れる。
「抱かれた事位…容易に解る…だけど…だからと言って…凜桜が選んだ夜を俺がどうこう言えないだろ…」
「…ッ」
「俺が好きだって思っても…それは表に出すことは許されない…でも『もう…いい…』…ッ」
珍しく凜桜が住吉の言葉を遮った。
「…もう…十分…」
住吉の目が一瞬揺れ、スッと細くなる。しかし…ーーー次の瞬間だった。
凜桜の手が住吉の頬に触れた。