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【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第30章 「善意の逆理 Ⅲ」


好きなだけ抱きしめて。
好きなだけキスして。
好きなだけセックスして――。


そこまで考えて、自分で少し笑った。

そんな普通で、どうしようもなく欲深いことを。
僕はあの子としたい。



傑の言葉が、ふと蘇ってくる。




『ただこの世界では、私は心の底から笑えなかった』




僕たちはどこで間違えたのか。
僕は傑に何をしてやれたのか。

今でも、答えなんて分からない。


だけど、大切なやつが心から笑えなくなっていくのを。
もう、黙って見ているつもりはない。


誰の生まれ変わりだろうと、どうでもいい。
どんなものを、過去から背負っていたっていい。


ただ僕の隣で、がのまま笑ってくれればいい。


僕らがどこへ行くのか。
どんなふうに生きて、最後にどんな顔で笑うのか。

そんなものまで、過去に決められてたまるか。



僕らの未来は、僕らで選べばいい。



・
・
・



非常階段の扉を押し開け、たちの元へ戻る。
待合室が見えたところで、足が止まった。


野薔薇は俯いたまま、膝の上で拳を握りしめていた。
その肩が微かに震えている。

その隣では、が声を殺して泣いていた。


伊地知は二人から少し離れたところに立って、俯いている。


(間に合わなかったか……)


処置室の扉はすでに開いていて、その静けさが答えだった。


次は、。


そう言われた気がした。



「……諏訪烈」



自然と口角が上がる。



「乗ってやるよ」



ただし――。

お前の望む結末になると思うなよ。
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