• テキストサイズ

【呪術廻戦/五条悟R18】魔女は花冠を抱いて眠る

第20章 「君の心をさらったその日から**」


***



「もーっ、心配したんだから……!」

「ごめんごめん!」



おばあちゃんは、頭に巻かれた包帯を指でコンコンと叩いてみせた。



「自転車乗ってたらさ、猫が急に飛び出してきたのよ。避けたら横転しちゃって、うっかり頭ぶつけちゃってさ」

「そしたら近所のさっちゃんが大騒ぎで! 『動かない! 死んでる!』って叫びながら救急車呼んじゃってさ~」

「ちょっと気ぃ失っただけだったのに、大袈裟よねぇ」

「気、失ってる時点で大事だから!!」

 

思わず声が大きくなる。
高専で「おばあちゃんが意識不明」と病院から連絡が入ったときは、こっちは最悪のことまで考えちゃったというのに。
慌てて病院に駆けつけたら、当の本人はけろっとしていて。
包帯も打ち身もあるけど、検査では異常なし。
そのまま、家に帰れることになった。

 

「さっちゃんに感謝しないと……ほんとに……」

「はいはい。ありがたい、ありがたい」

「そのうえ、にまで連絡いっちゃってたみたいで、あらまぁって感じ?」

「……ほんと、もう……」



慌てて、あきれて、ほっとして、なんだか疲れた。



「ね、。そんな顔しないの。ばあちゃん、まだ六十手前よ? まだ若いんだから!」



おばあちゃんは、ケラケラ笑っている。



「……もうちょっと、落ち着いてくれてもいいんだけどな……」

 

私はそう言って、おばあちゃんにお茶を淹れた。
湯のみから立ちのぼる湯気を見つめながら、ひとつ息を吐く。
/ 575ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp