第5章 《1部/前編4/5話/3P》10 11 12
〈第1章 子供時代編〉【11 ゴジの優しさ】
〈04/10話│2(2/2)/3P│1500字〉
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「ありがとね…ゴジ……」
「ん。なぁ、ロクジュ。そんなにサンジ兄がすきなのか?」
「はっ!?」
淡々としたゴジの問いにビックリしてガバッとソファから立ち上がってしまう。
「なんで!?わたしが!?」
「むかしからサンジ兄をすきなのはどうみたってそうだろ。わからないわけないじゃん」
「え───す、すき………?」
(なんなんだろう。このゴジの言葉は)
呆気に捕られて方針していた私に、ゴジはシートのゴミを片付けながらも言葉を続けていく。
「だいたいさ、ロクジュっていつもいつもサンジ兄しかみてなかったし、あのケガもまいにちなおしてたんだろ?」
何気なく言われた言葉に心臓がドクンと鳴る。
(………確かに私には〈治癒能力〉があるけれど、それがどう転ぶか分からないからまだ誰にも言ってないのに)
周りには絶対にバレないようにサンジの治療にも気を遣って徹底していたし、他のことも気をつけていたから、ジャッジさんにすら『力の片鱗が出始めている』くらいに思われてると算段してる手筈。
「なのにどうして……」
「あ、あんのじょうか?ガキのときから『もしかしたらそうかも』っておもってたんだよな」
(いやいやガキの頃って………ゴジさんよ)
ツッ込みたいところがなんだかたくさんありすぎて、なにから考えたらいいのか分からないんだけれども。
口をパクパクさせながら立ちつくす私を、少しも気にも止めないで「じゃあまたあとでくんれんのときに」と大きな扉から出て行った。
(やっぱり謎すぎる存在だ……)