第2章 〈天竜人編┃10話完結〉子供時代
〈第1章 ┃07/10話〉【07 改過自新】2/2P
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それから私は父上が普段からいる書斎に、人払いをしてもらってから一人で訪ねる。
「…しつれいしますアマス、ちちうえ」
「ん?どうしたんえ?」
「あの……じ…じつは………わ、わちし……ゆめを…みて……それがこわくて………か、『かぞくで[天竜人]をやめてヒドイめにあう』というゆめだったんでアマス……」
言いにくそうに、小さくつぶやいてうつむきながらいうと、父上は勢いよく座っていたイスから立ち上がった。
「………な、なぜ…」
「ゆめアマスよね?……ただのゆめ…」
悲しそうな顔で父上を見つめると、彼は息を飲んで拳を握りしめる。
「いや───それは予知夢だえ。わちしは近い将来、家族で[天竜人]を辞めようと思ってるえ。その後のことは分からんが……」
(やっぱり。でも息子達には言ってなかったから、秘密なのかと思ったいたけれど、聞けば教えてくれるのか。まぁ、基本的にこの人は[スナオないい人]だし、私、娘だもんね)
「えええ─?えぇえ?えぇええぇえ!?」
この世の物とは思えないほどに体と顔をいっぱい使ってすごくおどろいてみた。
「あ、やっばりおどろくことかえ?………でもわちしは人間や人魚を人だとも思わない[天竜人]達と暮らして行くのはもうイヤだえ。みんなが当たり前に取る行動を『残忍』や『非道』だと思うようになったえ」
(………え?私は母上じゃないのにそこまで教えてくれていいの?それとも自分の善性や人と違う考えに粋がっている感じ?……仕方ない。試してみるか)
ふいにそう思い、父上の目を見ながら言う。
「ちちうえ。とてもりっぱでやさしいかんがえだとおもうので、わちしはさんせいアマス。だけど…ですが……それではほかの[天竜人]達と、かわらないアマスよ?」
そんなことを言われるとは思っていなかったのか、父上は青い顔でアゴに手をやって、なにかを深く考えているようだった。
執筆日〔2024,05,05〕