第2章 〈天竜人編┃10話完結〉子供時代
〈第1章 ┃03/10話〉【03 現実逃避】2/2P
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……チュン…チュン……チュン………
微かに鳥の鳴き声が聞こえる中での起床。私の気持ちとは裏腹に、明るい日差しが爽やかな空気を湛えた朝が来ている。どんな気持ちだろうと、ずっと寝ていることが出来ない人間の体がなんだかイヤだった。
(あぁ……いっそ冬眠したい…!!)
いくら現実逃避や拒否を企んでも、睡眠には限界があるし、お腹だって空く。ハンストをして家族を困らせたいわけではない。
(家族は好きなんだよね……)
今までも、一緒に生活する上での問題はふつうにあるくらいで、他の[天竜人]みたいではなかった。我が家にも使用人はいるけれど奴隷は多分いない。だからここが[マリージョア]だって気づかなかったし、周りの人達に衝撃的を覚えたのだろう。
そんな風に好きな人達も[天竜人]である限りは、この記憶をどうにもできてない内は今までみたいに、なにもなかったようにはきっと振る舞えない。
もしかするとふとした時に距離を置いてしまう──のを心配している。
(みんな変なところがスルドイし、傷ついた顔や落ち込んだ顔もするから…)
なのでその日から食事は部屋で一人で食べるようになり、全然人前に出なくなった。
執筆日〔2018,09,07〕
変加筆〔2024,05,05〕