第2章 〈天竜人編┃10話完結〉子供時代
〈第1章 ┃02/10話〉【02 天竜人】2/2P
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(全然気づかなかった)
気を取り直して、微笑みながらその子達に挨拶をしてみた。初めて会う、今まで見たことの人達ばかりだったけれども『友達になれるかな』と、少しの期待を込めていたのはやぶさかではない。
だけども……少年達から返って来た言葉は、想像や期待していた物とはかけ離れた予想外な物。
「おまえ、はじめて見る顔だえ」
「一緒にあそんでやるえ」
「おまえはまだ奴隷を買ってないえ?」
「どんな奴隷がいいアマスか?」
「え…………あ…………」
『奴隷』『変わった話し方』『海賊』『人魚』『シャボンティのオークション』………こんな幼い子供達まで『それを違和感無く口にしている』という恐ろしい事実。それは私の胸を締めつけて苦しくするには十分だった。
(…これって……まるで【ONE PIECE】に出てた[天竜人]みたいな……)
(天竜人?天竜人て……?)
頭が割れそうに痛い。知らないのに当たり前に出てきた単語。それがなんなのか分からないのに気持ち悪くて、めまいまでしてきている。思考が定まらなくてどうもすっきりしない。
(頭が痛い─────)
そして目の前が真っ暗になった私は、全身から一気に力が抜けて痺れているのに痙攣までし始める。とても意識を保っていられずにその場にゆっくりと倒れてしまう。
「───────シャラーラっ!!?」
私の名を呼ぶ家族の声がとても………ひどく遠くに聞こえた。
執筆日〔2018,09,07〕
変加筆〔2024,05,05〕