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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第1章 悪霊がいっぱい!?


更に綾子は黒田を睨め付ける。
彼女は怖がっているのか、それとも自分がしでかしたことに恐れていたのか、ショックを受けているのか……小さく震えながら小さな声で謝罪の言葉を口にしていた。


「ごめんなさい……」


そんな彼女の肩を、双子は優しく叩いて笑顔を浮かべる。


「以上で納得できましたか?」

「……いちおうね。でもどうするの?校長の依頼は『工事をできるようにしてくれ』よ?」

「……校長にはこう報告するつもりだ。旧校舎には戦争中に死んだ人々の霊が憑いていた。除霊をしたので工事をしてもかまわない。それでいいかな、黒田さん?」


その問いに黒田は泣きそうな顔で頷く。


「それでだいじょうぶだと思うか?」

「たぶん」


だが、それを良しとしていないのがいた。
それは静かに話を聞いていた真砂子であった。


「……それでは不安は残りますわ。校長先生に本当の話をしてはどうですの?」

「彼女はじゅうぶん抑圧されてる。これ以上追いつめる必要はないと思うが」


珍しくナルは優しかった。
口調は特に優しいということはなかったが、それでも黒田の為を考えているということは、優しい所である。


(なんだかんだ、ナルも優しいところあんだなぁ……)


珍しいものを見た……と結衣は小さく頷いてから、とある事を思い出した。
それは麻衣も同じだったらしい。


「で?誰が除霊したことになるの?」

「そうだよね。誰が除霊したことにするの?」


双子の問に、全員が黙ってしまった。
だがその静けさを破ったのはナル。


「『全員が協力してやった』。それでもかまわないでしょう?麻衣、結衣。この件は他言無用だぞ」

「「わかってるって」」


麻衣はドヤ顔をして、結衣はグーサインをする。
そんな中で綾子は口紅をひいた艶やかな唇に笑みを浮かべさせて、ナルを見つめた。


「……ふうん。ナルってけっこうフェミニストなのね。彼女はいるの?」

「……質問の趣旨をはかりかねますが」

「アタシ、ガマンしてあげてもいいわよ。年下でも」


綾子の言葉に麻衣はギョッとして、結衣は『わぁお』と言葉を零した。
これが大人の色仕掛けもとい、誘惑というのだろうかと関心までしてしまっている。
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