第1章 悪霊がいっぱい!?
TVで何度か見た超能力者。
だがそれはほとんどがペテン師かもしくは詐欺だったり、トリックがあったりとした。
だけど黒田は本物だということなのだろう。
「本人も意識していないが、おそらくある程度のPKを持ってる。麻衣と結衣のために言っておくがPKというのは念力のことだ」
「ご親切にどーも……」
「黒田さんにとって、旧校舎の悪霊は必要な存在だったんだ。周囲の注目を集め続けるため……彼女のために」
「……なんかそういう心理ってわかっちゃうな」
「そうだね。分かっちゃうね」
「……ほんとはだれだって『特別』なりたいって思ってる」
「みんなに認められたいとか、そういう特別になりたいって思うのは誰にでもあるから……」
双子の言葉に、その場にいた全員が考えさせられたかのような表情を浮かべた。
そう、誰だって【特別】になりたいと思う。
誰かに認められたい、そんな事を思ってしまうのだ。
なにか他の人とは別の、特別なそんな力……。
(きっとそれが、黒田さんにとっては霊能力だったんだ……)
だからみんなに言っていたんだ。
自分には【特別な力】【霊能力】があるんだと。
「そしたら彼女のストレスが高まったのは地盤沈下説が出てからってことよね。じゃあアタシが教室に閉じ込められたり、彼女が襲われたり、あ、あとビデオが消えてたのは?」
「……説明しようか?」
ナルの静かなる問に、黒田は無言で小さく頷いた。
「巫女さんの件についてはこれが敷居にささっていた。それでドアがひっかかったんだろう」
ナルが見せたのは一つの釘。
綾子が閉じ込められたあと、彼が手で弄って遊んでいたものである。
「……クギ!?」
「このことは早くに気づいていたんだが、あえていう必要はないと思ってた」
「だれがワザとやってたってワケ!?だれが……あんたね!?」
そう、その犯人は黒田である。
彼女は綾子に睨まれて萎縮してしまっていた。
「ちょっとしたイタズラのつもりだったんだろう。あの直前に巫女さんにイヤミをいわれてたようだしな」
「じ、じゃあビデオの故障は!?」
「あれは霊障じゃなくて、故意に消されたものだ」
「それも彼女?」
「麻衣と結衣が実験室に着いた時、黒田さんはすでにいたそうだから、たぶんそうだろう」