第1章 悪霊がいっぱい!?
「そのうえでここにイスをおく。窓とドアには内側からカギをかけた。更に板を張って封をした。すると人は通れないしムリに入れば絶対にわかる」
「だよね。板が破れちゃうし、あたしと結衣とジョンが名前書いてるからとっかえらんないもん」
「そうだ」
そうだと言われても分からない。
結衣と麻衣は首をかしげていれば、ナルが小さく息を吐いてから説明を始めた。
「ポルターガイストの半分は人間が犯人である場合だ」
「イタズラってこと?」
「バカ。一種の超能力だ。本人も無意識のうちにやってることが多い。なにかの原因でストレスがたまった者が注目してほしい、かまってほしいという無意識の欲求でやる。そういう場合暗示をかけるとそのとおりのことが起こるんだ」
「じゃあイスが動いたのは人間のせいだってのか?」
「おそらくは。少なくとも、僕は今までこの方法で失敗したのとはない」
「じゃあ、誰が……」
かまってほしい、注目してほしい。
自己顕示欲が強いと言うと……と結衣はちらりと綾子や法生を見たが、二人では無いのはなんとなく分かっていた。
そうだとしたら、もう一人しかいない。
その場の全員も誰なのか分かったのだろう……全員の目が黒田のほうへと向いていたのだから。
「……わ……たし……?そんな……わたしがやったっていうの!?」
「他の誰より君がやったと考える方が自然なんだ。君には最初からひっかかりを覚えていた。たとえば、君はここで戦争中の霊や看護婦の霊を見たといった。だが戦争中このあたりが空襲をうけたことや学校が病院として使用されたという話ーーここが病院が建っていたという事実もなかった」
不意に結衣は最初の頃を思い出した。
まだナルがゴーストハンターと知らなかった時、麻衣の教室を訪ねてきた時も黒田にそう言っていたのを。
「そんなこと……」
「すると、君の勘違い。もしくは故意の嘘ということになる」
「ウソなんかじゃないわ!」
必死に黒田は叫んだ。
そして彼女はもう泣きそうになっている状態であり、結衣は何も言えなかった。
「……最初はただの霊感ごっこだと思っていた。だからポルターガイストとしか考えられない現象が起こった時、正直困ったんだ。機材の測定も原さんの判断でも霊はいない、という結果だったのに……だ」