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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第1章 悪霊がいっぱい!?


「問題ないよ、こっちは」

「だいじょうぶだよ」

「ハイ」

「ドアのサインは?」

「昨日と同じ」

「ハイです」


三人の確認を聞いたナルは、勢いよく道具でベニヤ板を剥がしていく。
暫くすればドアが姿を見せて、ナルは何も言わずにその扉を開ける。

ドアを開けて実験室に入った結衣と麻衣とジョンは唖然とした。
そこに確かに置いていたハズのイスが、移動していたのだから。


「……渋谷さん。イスが動いてまっせです」

「そうだな」


ナルは薄く笑みを浮かべている。
動揺もしていることなく、まるでそうなることが分かっていたかのようだ。


「ちょっと、なによソレ!」


綾子が尋ねたが、ナルはそれに答えることなくカメラを巻き戻していた。
それを確認するとまた薄い笑みを浮かべる。


「おい、ナルちゃん」

「……ご協力ありがとうございました。僕は本日中に撤退します」

「まさか事件は解決したとかいうんじゃないでしょうね!?」

「そのつもりですが」

「地盤沈下?」

「そう。校長から依頼を受けた件については地盤沈下ですべて説明できたと考えている」

「は!そんじゃ実験室やらおとといの騒ぎはどう説明するよ?」


法生は挑発じみた言葉を投げかけるが、ナルがそれに乗っかることはなかった。
淡々と言葉を紡いでいくだけ。


「あれはポルターガイストだ」

「おまえさんは除霊できないんだろ?調査だけして帰るつもりだな」

「除霊の必要はないと考えているんだが。ご覧になりますか?」


機材には昨夜設置したイスが映っていた。
昨夜結衣たちが確認した通り、誰も入ることができない中に一つだけ置かれたイス。


「……これがなんなの?ねえ……」


黒田が怪訝そうに聞いた時、イスが僅かに動いた。
その動きは徐々に大きくなると、イスは窓際に移動してそのまま倒れてしまう。
映像の中のイスはそこからは動くことはなかった。


「今の……りっぱなポルターガイストじゃねえか!除霊しないと……」

「その必要はありません。昨日全員に暗示をかけた。夜、このイスが動くと」


ナルの言葉で結衣は昨日の校長室でのを思い出した。
あれは一体なんだろうかと思っていたが、まさか暗示をかけられていたとは思っていなかった。
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