第9章 忘れられた子どもたち
「……真砂子おねーちゃんだけ?」
「ええ」
「おれもついてい──」
「だめっ!真砂子おねーちゃんといくのっ。ほかのひとはだめー!」
「はいはいはい。んじゃ、真砂子。ライター持ってけ」
「どうも」
ぼーさんは仕方ないと言いたげにしながらも、真砂子へとライターを投げた。
それを受け取った真砂子はクスクスと小さく笑う。
「さ、ツグミくん」
「うんっ」
真砂子が子供たちと二階の階段を上がっていく。
途中でライターの火が灯り、小さな明かりが見えた。
真砂子が階段を上がって曲がっていく瞬間、胸がザワつくのを感じた。
何か不安な気がした。
何故だろうかと思っていれば、声が聞こえた。
「あ、あった」
その言葉と共にオレンジ色の光が降りてくる。
全員が降りてきて、あたしはホッとした。
「結衣おねーちゃん、麻衣おねーちゃんあったよ!」
四人の子供たちが降りてきた事にホッとする。
だが同時に何か嫌な感じがした。
雨は未だに続いている。
暗くもなってきて、焚き火を囲みながらあたしは遊び出した子供たちを見て微笑む。
「──教室を、一つずつ清めて封じていく。最終的に一番奥の教室だけ残す方法でいこう」
「それしかねえわな」
「問題はあの子たちだ。力を分散したくない。一緒に連れて行けるか?」
「そうだなあ」
「ボクか滝川さんが遺るほうがええでしょう。教室を封じるなら滝かさんのほうが適任やと思いますけど……」
「おれとナルだけってのも若干不安があるな」
「なんとかなるだろう」
「ジョーダンじゃねぇって。なんとかされちゃ困るの」
ぼーさんの言葉に首を傾げる。
以前もこんな言葉を聞いたような気がした。
『冗談じゃない。なんとかされては困ります』
誰が言ったんだろうと更に首を傾げる。
ぼーさんが言ったのだろうかと思いながらも、悩んでいればぼーさんがあたしの頭に腕を置いた。
「重い……」
「こないだみたいに気功を使ってぶっ倒れても、この状況じゃ救急車も呼べねえんだからな。ジョン、子供たちを任せていいか?」
「ハイです」
「結衣、麻衣。悪ぃが付き合ってくれや。ナルを任す」
「う、うん。分かった」
「あたしたちでも役に立つんなら」
「いねえよりマシだろ」
「「なんだとー!?」」