第9章 忘れられた子どもたち
返事をしたのと同時に、外から『バシャバシャ』という音が聞こえてきた。
なの音だと窓から外を見ると、ぼーさんの車が校庭に入ってくるのが見えた。
「ぼーさんの車だ!!」
「ぼーさんたちが戻ってきた!」
「やった!破戒僧に外からドアを開けてもらいましょ」
助けがやっと来た。
あたし達が喜んでいる時ナルが呟いた。
「──まずい」
それだけを言うと、ナルは突然走り出した。
「ナル!?」
「え?ど、どうしたの?」
「あいてしまったらどうする!」
「あいてしまったらって……」
どういうことだろうか。
そう思っていると、ジョンが『あ!』と声を出した。
「ジョン?」
「ドアがあいてしもうて、滝川さんたちまで閉じ込められたら──」
「……急がないと!!」
「急ごう、麻衣!」
「うん」
ぼーさんたちまで閉じ込められたら、いよいよ終わりだ。
あたしたちは急いで玄関まで行こうとしたとき、下から突き上げるような揺れがあたし達を襲った。
「きゃっ……!」
「きゃ……!?」
その場に倒れそうになる。
慌てていると、ナルの『近くの人間の腕でも、服でも』という言葉を思い出した。
「あ、綾子……麻衣!」
「綾子、結衣!」
二人へと手を伸ばし、二人もこちらに手を伸ばす。
掴まなければ……そう思っていると、また下から突き上げてくる揺れが襲ってくる。
何かが叩くような『ドンドン』という音が全体的に響いている。
そのせいで二人の手が掴めない。
(綾子……麻衣……!)
暫くして揺れと音がやんだ。
すると先に行っていたジョンが戻ってきて、慌てた綾子に手を貸して立たせる。
「立てますか!?」
「う、うん……」
「麻衣、綾子……大丈夫?」
なんとか立ち上がりながら、あたしたちは階段を降りていく。
するとナルが扉を必死に押している姿が見えて青ざめた。
「うそ……開かないの?」
「そんな……」
「そこをどいておくれやす!」
慌ててジョンが聖水を取り出すと扉にかけた。
そしてナルが扉を蹴破り、慌てて扉をくぐり抜ける。
(急がないと……ぼーさんたちが中に入ってきちゃう!)
急がないと。
そう思って一階へと降りて、あたしたちは目を見開かせた。