第9章 忘れられた子どもたち
あたし達は離れ離れにならないよう、注意しながら教室を調べて行った。
教室の一つ一つは凄い埃があり、人がどのぐらいの間いないのかをひしひしと伝えてくる。
色んな教室を調べた。
散らばった机や椅子、体育倉庫にはボールなのが散乱していて寂れていた。
「……なんか、こういうのって寂しい感じだね」
「そうね」
「うん……」
次の教室に移動する。
その教室も他と同じで埃が凄いが、思わず顔を顰めてしまうほどの腐った臭いがした。
鼻を少し抑えながら恐る恐ると教室に入る。
教室には水槽が三つ並んでいて、黒く変色したりしていて中はよく見えない。
「イヤな感じね」
「なんか部屋中腐ったみたいな臭いがする……」
「ちょっと、キツイ臭いだよね……」
辺りを見渡しながら、鼻を抑えているとジョンがナルを呼んだ。
「渋谷さん。これを──」
ジョンは部屋の隅にいた。
彼の目の前にはダンボールと布があるのだが、その中心にぶわぶわとし何かがある。
毛布のような感じがするのだが、腐っているのかよくわからない。
「なあに、これ?ぶわぶわしてる……毛布……?」
「でも、なんか鎖で繋がれてない?」
ナルが鎖を引っ張る。
すると丸まった首輪が出てきたのだ。
「……首輪!?」
「犬か何かが居たんだね。輪っかが小さいから子犬かな」
「かもしれないね……」
ナルはじっと塊を見る。
するとリンさんへと手を伸ばした。
「リン。何か──」
静かにリンさんがポールペンを差し出し、受け取ったナルは徐にボールペンで塊を弄くり回す。
「ちょっ……ナル、なにやってんの?どうし──」
麻衣は言葉を途切れさせ、あたしは息を飲む。
(なんで、首輪丸いまま?それに動物を飼ってたなら、廃校になった時に連れていくもんだよね?もし、誰かが連れていってるなら、首輪は残ってるはずない。首輪を外したなら、丸のままなんてことは……)
ナルが何かを広いあげる。
白い小さな塊だ。
「……それ……」
「何かの骨だな」
「それじゃ、このぶわぶわしたのって……」
想像したくないが……何かの死骸。
「どうやら村長たちは相当なタヌキだな」
「タヌキ?」
「え、ど、どういうこと?」