第9章 忘れられた子どもたち
嫌な感じがする。
そう思いながらも、あたし達は二階へと向かった。
階段を上がるたびに軋む音がする。
古い階段だな……と思いながらジョンの後をついて行くと彼が言葉を漏らした。
「──あれ?」
「な、なに?」
「どうしたの?」
ジョンのあとをついて行くと、二階に繋がる階段の一部が塞がれていたのだ。
ベニヤ板のようなもので上がれないようにしっかりと密閉されてしまっている。
「行き止まりですな」
「何で塞がれてんだろ……」
誰が何のために塞いだのだろう。
首を傾げながら板に触れていれば、綾子が声を上げた。
「待って。ここ、ドアになってない?」
綾子が指さす所には確かに扉のようになっていた。
だが鍵がかけられていて施錠させてしまっている。
「ほんとだ。でも鍵がかかってるね。開かないのかな……」
麻衣が南京錠を引っ張ると、留め金のほうが板から抜けてしまった。
板がどうやら古くて腐ってしまっていたようだ。
「……とれちゃった……」
「……と、とりあえず中見てみる?」
「うーん……もし中に入って、このドアまで閉まっちゃったら困るわね……」
「だねぇ……」
閉じ込められたら最悪である。
「……そしたら結衣さんたちはここにいて、ドアを開けといておくれやす」
「え?」
「ボクが行ってきますよって」
「でも、離れるなって!」
「危ないよ、ジョン!」
「ちょっと登って廊下の窓の様子を一つだけ見てきます。それが開けばそこから出れますし、それがあかへんのやったらほかの窓もあかへんでしょ」
不安だった。
ここでジョンと離れても大丈夫なのだろうかと。
「あそこまでだね?」
「ハイ、あそこまでです。あの窓だけ確かめて戻ってきます」
あたし達は扉が閉まらないように抑えながら、階段を上がっていくジョンを見守る。
階段の上には窓があって、ガラスがあちこち割れてしまっていた。
「──上にも一階と同じぐらい教室があるのかな。生徒数のわりに数がありそうだよね」
「確かに……どあしてこんなにいっぱいあるんだろう」
「校舎が建った時には生徒がたくさんいたってことでしょ」
「そっか。生徒が減ったんで二階を使わないように封鎖しちゃったわけだ」
「でしょうね」