第9章 忘れられた子どもたち
「……やりすぎちまったか」
そんなぼーさんの呟きが聞こえたが、それがどういう意味を持っているのか分からずに布団に慌てて潜り込む。
(ぼーさんが、いつものぼーさんじゃないような気がした……!なんか、あの時……成人してからとか言われた時と雰囲気が同じような……)
心臓が今も痛いぐらいに鳴っている。
それを押さえ込もとするけれど無理で、あたしは結局眠ることが出来なかった。
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ー翌朝ー
寝不足のまま、あたし達は例の廃校へと向かった。
車で山を迂回してちょうど三十分ぐらいであり、山道を通りながらようやく到着。
寂れた廃校だった。
窓ガラスはすべて割れていて、校庭は雑草だらけの寂しい感じのする廃校だ。
「ふああ……」
寝不足のせいで何度も欠伸が出てしまう。
車の中でも欠伸をしていたら、ナルから呆れたような睨みを頂戴されてしまった。
(これも全部ぼーさんのせいだ……)
なんて思いながら腕時計を見る。
ちょうど七時になり、早い時間に起こされたもんだと溜息を吐き出す。
「なんか、すごーく寂しいとこだね」
「本当だねぇ。なんか本当に寂しい感じがする……」
「こんなの見ちゃうと子供がいて、活気のあった頃なんて想像がつかないわね」
ふと、真砂子の方を見ると彼女は寂れた廃校を見つめていた。
「真砂子、どう?校舎の中とかなにか見える?」
「ちょっと距離がありますもの。結衣と麻衣はどう?」
「あたし達、いま起きてるもん」
「寝てないからね」
「ああ……誰かさん達は寝ボケてないと使い物にならないんでしたっけ」
「よっけーなお世話!」
「個性よ、個性!!」
「便利な言葉ですわね」
「「にゃにおう!?」」
「そこのスズメ達」
騒いでいると厳しい声が聞こえて、あたしと麻衣は背筋を伸ばして『はいっ!』と返事をする。
スズメというのは、ピーチクパーチク喋っているからなのだろうか。
なんて思いながらナルの方へと振り向く。
「外から集音マイクを置く。それで取り敢えず一日様子を見てから状況によってはカメラを置いてみる。それと外から設置出来るところに追尾カメラを。校舎内はくれぐれも立ち入り禁止」
「「アイアイサー!」」