第9章 忘れられた子どもたち
なにが見つかったの。
そう聞く前にナルとリンさんは車に乗るので、あたしも慌てて車に乗り込んだ。
そしてナルの指示でリンさんは車をUターンさせて、先程通り過ぎたキャンプ場に辿り着いた。
「──ねえ、どういうこと?いきなりキャンプ場に戻ったと思ったらここに泊まるって……なにがあったの?」
「そうだよ。急にどうしたの、ナル」
「ぼくはここに用がある。麻衣と結衣たちは東京に戻れ」
「戻れって、あたしはどーすればいいの。帰れないよ」
ぼーさんの車には五人しか乗れない。
そうなるとあたしは帰ることができないのだが……と思っていれば、ナルが平然と答える。
「費用を出す。リンに駅まで送ってもらって新幹線で帰れ」
「はあ!?」
「帰れったって……」
「いると邪魔だ。帰れ」
意味がわからない。
何故急に帰れと言うのかと思いながらも、ナルとリンさんはどうするつもりなんだと思った。
「……ナルはいつ戻るわけ?」
「分からない」
「分からないって……その間オフィスはどうするの?」
「閉めていい」
「し、閉めるって」
「麻衣と結衣は他のバイトを探すんだな」
「「……え?」」
「あのオフィスは戻り次第閉鎖する」
ナルの言葉で沈黙が流れる。
閉鎖というのはどういう意味だっけ……と考えながら、唖然とした表情でナルとリンさんを見た。
「「閉鎖ぁ!?」」
唖然としていれば、綾子とぼーさんが叫んで思わず肩を跳ねさせた。
「閉鎖するって廃業するってこと!?」
「ど、どうして」
「説明しなさいよっ!」
「渋谷さん夏バテですか!?」
「怒鳴らなくても聞こえます。もう少し静かに出来ませんか」
騒ぐ綾子達にナルは面倒くさそうにしていた。
「し、質問っ。オフィスを閉鎖するってことは辞めちゃうってこと?どうして?」
「ぼくにはぼくの事情がある」
「その事情を説明してください、所長。あたしと結衣は解雇されることになるんだから、聞く権利があると思う」
「そうだよ。あたしと麻衣は理由を聞く権利があるよ」
「説明する必要は感じない」
ナルと睨み合う。
何故そこまでして理由を説明しないんだと思い、怒鳴ってやろうかと叫ぼうとしたときである。
「あのねー……!」
「もー、投げちゃったよおれは」