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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第7章 血ぬられた迷宮


(だめ……この先は駄目。やだ、あの部屋入るいやだ、怖い……入りたくない。入ったら……)


だが、男たちは引き摺っていく。
そして部屋の中はタイル張りの作業台などがあった。
あちこち黒光りしていて、大量に濡れている。


(まさか……)


そう思った時、肩を掴まれて何かを脱がされた。
何故か結衣は着物を着ていたのである。


(着物……なんで……?)


背を押されて、よろめく。
そして足が何か濡れたものに触れた。
足を上げると『にちゃ……』と足に張り付いていて、それを見ると黒光りしていた。
同時に血生臭い臭いがしてくる。

血だ。
そう思った瞬間、結衣は男に髪の毛を引っ張られて連れていかれた。
そして血で濡れた作業台に寝かせれて縛り付けられる。


(……助けて……やだ……)


首に血が伝う。
誰の血なんだなんて分かりやせず、結衣はただ震えていた。


(いやだ……やだ……麻衣……麻衣……)


妹の名前を必死に呼ぶ。
頭が作業台からはみ出ていて、首を伸ばせば向こう側で男たちが居るのが見えた。

そして何かが光った。
男が刃物を握っている。


(……夢だ、これは夢なんだ。大丈夫、いつもみたいに覚めるから、大丈夫……)


ゆっくりと男が近づく。
震えが止まらない、恐怖が溢れだしてくる。


(最悪なことが起きる前に起きる、大丈夫……大丈夫……、はやく目を覚まさないと……)


髪の毛を引っ張られて、首を突き出す形になる。



死ニタクナイ

死ニタクナイ


(目を……)


刃物が首にくいこんだ。


(う、そ…………)




「キャアアアアアア!!!」


耳をつんざくような悲鳴が聞こえた。
結衣はその声で目が開いたが、それと同時に叩くような乾いた音が聞こえる。


「……麻衣?」


悲鳴の声は麻衣だ。
慌てて飛び起きて、結衣は先程のが夢なんだと気が付いた。
そして横を見ると綾子と真砂子も起きていて、麻衣を見下ろしている。


「麻衣!」


慌てて結衣が駆け寄ると、麻衣はぼんやりとしていた。
そして彼女の瞳は自分を見下ろす三人が写っていて、結衣を見た瞬間麻衣は彼女に飛びついた。

子供のように泣き声をあげる麻衣。
それを見た瞬間結衣はまた同じ夢を見たのだと分かった。
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