第7章 血ぬられた迷宮
三人とも動く気配がない。
気付いていないということに、結衣は息を飲みながら冷や汗を流していく。
そしてある事に気がついたのだ。
(足音がしてない……それに、あたし部屋入る時に鍵閉めたよね!?なんで開いて、この人達中に入れたの!?)
ゆっくりと、男の手が伸びてくる。
そして男二人に結衣は抱えられて、ベッドから引き摺り下ろさせてしまう。
(いや……いやだ!なんで声が出ないの!?助けて……いやだ、麻衣、綾子、真砂子ッ!!)
三人は未だに眠ったまま。
そして結衣は部屋から引き摺り出されてしまう。
(……暗い、なんで暗闇なの?)
部屋を出た時、違和感を覚えた。
廊下には明かりが着いていて、部屋の扉があったりしているはずなのに何も無いのだ。
(廊下がない……暗すぎる。他の部屋何処?何処にいったの?あたし……何処に連れて行かれるの!?)
暫く引き摺られていると、とある部屋に入った。
暖炉があり椅子が置かれていて、近くのテーブルにはワイングラスが置かれている。
底に少しだけの飲み物が残っていた。
(この家にこんな部屋あった……?しかも、誰か今までいたような……)
男達は結衣を引き摺り、クローゼットの扉を開ける。
その先には暗闇が続いているが、道があった。
(やだ、いやだ……行きたくない……!)
ジャリ……と音が鳴る。
足元を見るとそこには砂利が引き詰められていた。
横には草木があり、まるで迷路のようになっている。
(そうだ……これ、夢だ。夢なはず。いつもの夢なんだ……麻衣がいないだけ。ナルもいないだけの、夢……!)
前にも麻衣と同じ夢を見たが、夢には麻衣がいなかった時もあった。
(てことは、麻衣も同じ夢を見てる?それとも、あたしだけが、この夢を見てる……?)
分からなくなってきた。
そしていつの間にか目の前には扉があり、男が扉を開けた瞬間金臭い匂いが鼻をついた。
「ゲホッ!!ゲホッッ!」
息ができないほどの血の匂い。
思わず咳き込んでいると、男たちは結衣を引き摺って階段を上がっていく。
そして一つの扉が現れた。
暗い道の先にある一つの扉。
それを見た瞬間、結衣は背筋が凍るような感覚に陥る。