第7章 血ぬられた迷宮
見取り図を見せられた双子は驚いた。
確かに上りのほうが段数が多い。
「あれ?じゃあその辺りは一階じゃなくて中二階みたいになりますよね。高さが違っちゃうでしょう?」
「……おそらく、その部分は三階ではなく四階建てなんだ。一階に居たつもりが、歩いていくうちにいつの間にか二階にいる。──つまり一階の下にさらに部屋があるということだ」
「ええ!?」
「なんじゃそりゃ!?」
「それに、階段の一段ごとの高さも違っている可能性がある。階段部分の計測をもう一度やり直した方がいいだろうな」
そう言われて、双子と法生に安原とジョンが計測をしにやって来ていたのである。
「──んで、測り直したらナルが言ったとおりだもんね」
「それにしても、こうやってるうちにまた隠し部屋なりを見つけて──消えた人たちを発見できるといいんですけど」
「無事なら良いけどね……」
「あ!ドアがあります!」
話し込んでいると、ジョンが叫ぶ。
その叫び声に驚いて階段の方へと向かうと、階段の途中の壁に扉があったのだ。
「……んだ、こりゃあ!?使えるのか?」
「あけてみます……」
ジョンは頭を突っ込んで扉を開けてみる。
そこを懐中電灯で照らせば、小さな部屋がそこにあった。
暗くて中はよく見えない。
「……小さい部屋がありますね。ボクが降りてみます」
「気をつけろよ」
「ハイ」
ジョンが降りていくと、彼の咳き込む声が聞こえた。
「ジョン!?」
「大丈夫なの!?」
「ダイジョウブです。ほこりが……」
埃が舞うということは、相当の間放置された部屋なのだろう。
それも当然である……あんな場所にあれば人が入れるわけがないのだから。
「とくに何も無いみたいですけど──待ってください、なにか──大きな額がかかってます!」
ジョンが持ってきたのは、男の絵が描かれた肖像画だった。
「──誰の肖像画だ?」
ベースに戻った双子達は、ジョンが持ってきた肖像画をナルに渡した。
「裏っかわ見てみ。『明治三十年三月 自画像 浦戸』ってあるだろ。けどその浦戸ってのが誰なんだかなー」
「まあ、自画像を飾るくらいだから当主の美山氏と親しい人だったんじゃないですか?大橋さんに聞けばわかるかもしれませんね」