• テキストサイズ

ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第7章 血ぬられた迷宮


「え、じゃあリンさん一人でいたの?危ないよ。ナルも一人になるなって……」

「わたしは大丈夫ですから」


中々手強い。
双子はリンの対応に眉を寄せながら、どうやったら話が続くのだろうかと悩む。

別に二人で話していればいいかもしれない。
だがそれじゃリンに『騒がしい』と思われるだけ。
それならリンも話題に入ってもらえば……と結衣は思っていたのだ。


「……あ、そういえばリンさんって中国の人だったんだね」


麻衣が話題になりそうな話を持ってきた。
出身地の話になれば、話題も盛り上がるかもしれないと結衣はチャンスだと話題に乗ることにした。


「えっと、元は香港だったけ?」

「……それが?」


まるで睨むかのようにリンが振り向く。
そんな彼に双子は冷や汗を浮かべてしまった。


「それが……って、いや、別にそんな深い意味があったわけじゃ……」

「ないんですが……」


双子は思わず後退りをする。
リンの迫力というのか、目力というのか……二人はそれに圧倒されてしまう。

それにしても無愛想だ。
ここまで無愛想な人間は見たこともなければ、ナルだってもう少し愛想が良い方だと思える。


(なんでここまで無愛想なんだろう……人付き合いが苦手とか?)


出来れば仲良くとまではいかないが、普通に会話ぐらいはしたいと結衣は思っていた。
すると隣にいた麻衣が溜息を吐き出す。


「ほんっと、無愛想なんだからなー……」


麻衣も結衣と同じことを思っていたらしい。
溜息混じりにそう呟いた。


「わたしは日本人は嫌いです」


ガツンと頭を何かに殴られたような衝撃が結衣を襲い、驚いたように目を見開く。
麻衣も同じように目を見開かせて、双子は固まっていた。


「……な、なんで……?」

「なんで、日本人が……嫌いなの?」


やっと振り絞ったように言葉が出る。
そんな双子の問にリンは作業していた手を止めて、こちらを見ていた。


「日本人が昔、中国で何をしたか知らないのですか?わたしは日本人が嫌いだし、日本人に囲まれて生活するのも不愉快です」

「で、でもそんなこと言ったら中国だって酷いことしてるじゃん!元寇とかしたし……」

「っていうか、世界中が侵略したとかされたとかの歴史ばっかりじゃない!」
/ 633ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp