第7章 血ぬられた迷宮
「あんた達の測量にかかってるんだから、頑張ってよね」
「そこで『手伝いましょう』の一言が出ない女だよな、お前は」
「なーに甘えたこと言ってんのよ。こっちだって霊の気配だの調べるために歩き回ってクタクタなの!ねぇ、真砂子」
「ええ。もっとも松崎さんは文句の方が多いですけれど」
「あんたも一言多いわよ!」
相変わらずの賑やかさに結衣は苦笑する。
この騒がしさのおかげで、少しは怖い気持ちも拭われているような気がした。
そう思いながらも、鈴木の捜索と測量の疲れや五十嵐への心配のせいなのか食事があまり美味しく感じない。
なんて思っていれば麻衣が先に食べ終えていた。
「ごちそーさま。あたし先にベース戻ってるね」
「だめよ、一人じゃ」
「大丈夫。すぐそこだもん。ベースに行けば誰かいるし」
「あ、待って、麻衣。あたしももう食べ終わるから」
慌てて結衣は食事をかき込んでから『ごちそうさま』と手を合わして席を立つ。
「おれたちもすぐ行くから」
「ウス!」
「ゆっくり食べていいからねー」
双子は応接室から出た。
日が落ちたせいなのと、廊下の明かりが薄いために廊下か薄暗い。
「……さ、さっさと戻ろう」
「そ、そだね」
双子は少し怖がりながら早歩きで廊下を歩く。
他のメンバー達といる時はあまり感じないが、この家はとても薄暗い。
薄暗い廊下を歩いていき、ベースに辿り着く。
そして扉を開けると中には電気がついてあり、その明かりに双子はホッとしたのだが……。
(リンさんしかいない……!?)
部屋にはパソコンのキーボードを叩いているリンしかいない。
その事に双子は顔を見合わせ、引き攣った顔をしながら中に入る。
「り、リンさんただいまー。あたしと麻衣、ごはん終わったから交代しようか?」
「リンさんごはんまだだったよね?」
「結構です」
キッパリと言われて双子は言葉を詰まらせる。
「あー……と、ナ、ナルたちは?」
「そー、そーいえば、安原さんとジョンもいないけど……」
「ナルは大橋さんの所です。安原さんとブラウンさんは五十嵐教授の様子を見に行きました」
こちらを振り返ることもなく、リンは業務連絡のように双子に言う。