第7章 血ぬられた迷宮
「もしかして、鈴木さんの事を助けてくれるお人や思うて、連れていったゆう可能性はないですか?昨夜の降霊会で唯一言葉を聞いてくれはったお人ですやろ」
「あ!」
「その可能性もあるっかあ……」
「──それとも」
安原が自身の顔を懐中電灯で照らす。
暗闇の中では照らされた顔が浮かび上がるので、まるで生首が浮いているように見える。
そのせいで双子は肩を思わず跳ねさせた。
「昨夜のあれは霊の言葉なんかじゃなくて、鈴木さんが勝手に書いたもので、それがバレるのが怖くて逃げ出した」
「それじゃ、あの血文字とラップ音は?」
「どう見ても霊がしたとしか思えないよ?」
「そっか。じゃあ、鈴木さんが勝手に書いたんで霊が怒って暴れた。怖くなって以下同文」
「血文字の意味が通じんがな」
「あー、そうか。あれがトリックの可能性は薄いし……」
「わあ!?」
話し込んでいる時だった。
ジョンの叫び声が聞こえ、思わず全員が声がした方へと勢いよく振り向く。
「ジョン!?」
「どうしたの!?」
「大丈夫!?」
何かあったのだろうか。
慌てて双子が駆け寄ると、ジョンは少し屈んでから床を不思議そうに眺めていた。
「ここ、床が沈みます」
「床……?あれ……」
結衣が床を照らすと、そこにはドアのような物があった。
ドアというよりも蓋のようにも見えるそれに、全員が不思議そうに見る。
「……ドア?」
「つーか、蓋?」
「……開けてみっか?」
「……取り敢えず見てみた方がいいのかな」
意を決し、法生が蓋のような物にある取ってに指を掛けた。
重苦しい音を立てながら蓋は開いたのだが、そこからは黴臭い臭いが漂ってくる。
思わず全員が鼻を塞いだり摘んだりしてしまう。
法生は開いた中を見下ろす。
そして結衣は鼻を摘みながらも、懐中電灯で中を照らして目を丸くした。
「……おい」
「うー?」
「下に部屋がある」
「しかも梯子まで……」
中は暗くてよく見えない。
だが梯子が設置されていて、中に部屋のような空間があるのは認識出来た。
全員が顔を見合わせる。
「……まさか、隠し部屋……?」