第7章 血ぬられた迷宮
(なんかこの人……妙にはしゃいでない?)
心配しているよりも、今回の騒動にはしゃいでいる。
その事に双子達の形相が変わっていると、五十嵐がデイヴィスへと視線を向けた。
「あの……南さん。デイヴィス博士に聞いていたけませんでしょうか?」
「は?」
「ここに鈴木さんのコンタクトレンズのケースがあります。ぜひ、サイコメトリしていただけないかと……」
「え……ち、ちょっと……」
五十嵐の言葉に結衣は『そうだ』と思い出した。
オリヴァー・デイヴィスというと、サイコメトリ……つまり透視が出来る超能力者だと法生が言っていた。
ならばコンタクトレンズのケースをサイコメトリすれば、見つけることが出来るのでは……と。
「お願いします、聞いてみるだけでも」
「……わかりました。聞いてみましょう」
何故か南は渋る様子を見せたが、五十嵐からコンタクトレンズのケースを受け取りデイヴィス博士に英語で話しかける。
その様子を固唾を飲むように見守っていれば、南は五十嵐の方へと振り返った。
「こんなものでは透視できないそうです」
「そんな──!それでは何を使えば……」
「博士が透視できるのは失踪当時、身につけていた物に限られますからなあ」
そんなもの無理がある。
失踪当時に身につけていた物なんて、そこらじゅう探してもすぐに見つかるものでは無い。
「そんなの無理でしょう!?」
「そんなもの、そこら辺にあるわけないじゃないですか!」
「谷山さんたち!」
怒りを感じたのか、叫ぶ双子たちを安原が止めるかのように叫ぶ。
それが気に触ったのか、南は眉を釣りあげながら言い放った。
「し……知りませんよそんなこと!そ、そうだ。その……鈴木さんですが、降霊会で怖い思いをしたんで逃げ帰ったんじゃありませんか?」
「なんっ」
「最近の若い者は無責任だからな」
南と同じテーブルに着いていた井村までもが、鈴木をまるで避難するかのように言い放つ。
その言葉に苛立ちを覚えた結衣は思わず叫んだ。
「そんな訳ないでしょう!?内鍵は閉まっていたって大橋さんが言っていたのにどうやってここから出れるっていうのよ!デタラメ言わないで!」
「結衣さん!」
「結衣……!」