第7章 血ぬられた迷宮
「ナル……」
「降霊会の部屋に暗視カメラと集音マイクをセットしなおそう。今日の調査はそれで終了ということでいいですか、所長」
「あ、はい」
いつにまして神経質になっている。
結衣と麻衣は顔を見合わせながら肩を竦め、真砂子を支えながらベースを出た。
「──血の臭い?」
部屋に戻った真砂子は気分が悪くなった理由を、ベッドに座りながら説明した。
「ええ……。みなさんは平気ですの?体中に染み付くほど臭いがしてますのに。降霊会の部屋なんか吐きそうなくらいでしたわ」
「そうかな……」
「あたし、とくに臭いはしないような気がしたけど」
「それ、ラップ音が起こる前からしてた?」
「え?……いえ、あとからですわ」
双子はとくに臭いは感じなかった。
始めてこの屋敷に来た時に一瞬臭いがしたが、あれ以来はとくに感じてはいはい。
「じゃ、もしかして霊の臭いとかだったりして」
「有り得るかも。ほら、緑陵の事件のときもヘンな臭いがしてたよね」
緑陵では生臭いような、とても耐えれそうにない臭いがしていた。
「ね、姿はどう?見える?」
「ええ……でもチラチラという感じでよくわからないんですの。血の臭いで気が散ってしまいますし……」
「そっかあ……」
「そんなに強い臭いなんだね……」
双子は隣合ってベッドに腰掛けながら悩む。
そんな彼女たちを真砂子は見つめながら声をかけた。
「──……結衣さんと麻衣さんは?」
「んー?」
「なにがー?」
「なにか感じます?」
真砂子の問に双子は目を丸くさせた。
「ど、どしたの。あたし達にそんなこと聞くなんて」
「そ、そうだよ……どしたの」
「……あたくし、その方々には相応の敬意を払うことにしてますの」
「敬意って……」
「あたしたちに!?」
まさかの言葉に双子は驚きでいっぱいだった。
「だって、前回の事件であたくしと同じ幻視を見たのは貴方方だけなんですもの」
「幻視……?」
「って、あの……坂内くんの?」
結衣の言葉に真砂子は頷く。
確かに彼女の言う通り、前回の事件で坂内が取り込まれているのを見たのはこの三人だけであった。
「うーん……今回はダメっぽいなあ。そういう夢見ないし」
「そーだねぇ」