第7章 血ぬられた迷宮
ナルの言葉に双子は文句を言う。
そんな事を言われたって、双子や法生たちは何度も間違いないか測ったのである。
「でも、実際何度も測った結果そうなったんですよ。それで、もしかして隠し部屋でもあるんじゃないかと」
「そうじゃないと色々おかしいよねって、話してんだよ」
「──やっかいな話だな……。明日、もう一度正確な計測をしてみよう」
「「またあ!?」」
厄介な話である。
結衣は溜息を吐き出しながら、明日が億劫だなと感じながらも日暮れ近くの茜色の空を窓から眺めた。
日が落ち、夕食時間。
最初に集まった部屋で食事を取っていた結衣たちは、時折文句を混じらせながら話していた。
「──とか言ったって、やるのはどーせおれたちだろー?ったくもー、もう少し年寄りをいたわれよなー」
「ナルもしてみればいいのにねぇ。測量」
法生の文句に結衣は頷きながら文句を言う。
そんな時、安原の後ろから五十嵐が姿を現して声をかけてきた。
「……あのう、渋谷さん?」
安原は数秒遅れて振り向いた。
「──っはい!」
「ごめんなさいね、お食事中。お邪魔してよろしいかしら」
「どうぞ、五十嵐先生」
双子はややこしいと眉を下げる。
安原は現在だけ『渋谷』であり、ナルは『鳴海』。
他者の前では気をつけなければと溜息を吐き出した。
「あの……実はおたく様は怪しげな霊能者ではないと見込んでお願いするのですが、今夜降霊会をやってみようと思いますの。できたら、渋谷さんたちにも協力していただけないかと思いまして」
「え、はあ……そうですね……あ」
安原が困ったようにしていると、丁度よくナルとリンがやってきた。
「鳴海くん」
「……はい」
「五十嵐先生が今夜降霊会をすると仰ってるんだ。ぼくは参加してみようと思うんだが、君はどうする?」
「……そうですね。ぼくも参加させていただきます。どうせ夜にはたいした作業はできませんし」
「では九時にこの隣の部屋でよろしゅうございますか?」
「承知しました」
そして夜九時。
応接室の隣の部屋に結衣達が訪ねると、五十嵐が人の良さげは微笑みを浮かべながら招き入れてくれた。