第7章 血ぬられた迷宮
南が取りだしたのはアルコール温度計である。
そんな物で温度が測れるのか……と双子が驚いていれば、彼はアルコール温度計を振り始めた。
(アルコール温度計は振っても温度は下がらんって!!)
南は平然とした表情で、アルコール温度計を物に当てる。
そんなもので温度は測れないだろうと結衣は驚愕していた。
「企業秘密なんてことはいいませんから、盗めるテクニックはどんどん盗んで行ってください。人間、勉強ですよ」
「はあ、どうも……」
とても研究者とはいえない行動に双子は怪しんだ目をしていた。
「会長、向こう側の部屋になにかを感じます」
二名の所員が手を合わせながら、扉の方にいる。
彼らは本当に何か感じているのだろうか……と結衣は思わず怪しんでしまう。
「ああ、そう」
計測出来ていないだろうに、南はアルコール温度計を離す。
絶対にあれでは計測出来ていないと双子は目を見開く。
「まあ、お互い頑張りましょう。除霊に成功したチームにら賞金がでるようですし」
笑いながら南達は別の場所へと言ってしまう。
それと四人は唖然とした表情で見送っていたが、結衣は直ぐに正気に戻る。
「ね、あたしが言った通り胡散臭いでしょ?」
「……だねぇ」
その後四人はベースへと戻った。
そして双子は南についての事をナルに話していた。
「──ってカンジでね。なーんかいい加減なやり方してたよ」
「胡散臭いよねぇ」
「そうか」
ナルは興味なさげに双子が渡したバインダーの計測結果を見ていた。
「そういえば、ぼーさん残念だったね。博士いなくて」
「な、なんで急にふるんだよ」
「だってファンなんでしょ?凄い人だっていつも言ってるじゃーん」
「毎回力説してたもんねぇ」
双子はニヤニヤとして、法生はほんのり頬を赤く染めていた。
見たことの無いその法生の表情に結衣は珍しいものが見れたと嬉しげにする。
「だ、だってなあ!あんだけ厳密な研究者って珍しいんだぞ!」
「へー、そうなんだ」
「そ、すっげー真面目な人なんだよ。まるで普通の化学論文みたいなきちんとした論文書くしさ」
「ふうん」
「化学論文……」