第4章 放課後の呪者
一体どうしたと言うのだろうか。
二人揃って、何かに気付いた様子だがあたしと麻衣はさっぱり分からずに混乱するだけ。
「なぜ、いままで気づかなかったんだ?これは──呪詛だ」
「……呪詛?」
詳しい説明は全員が来てから。
ナルがそういうので、あたし達は気になりながらも待つことに。
一時間もしない頃だろうか。
ようやくぼーさん達が来て、ナルが今回の原因は『呪詛』だと説明した。
「呪詛ぉ!?」
「そうだ。ここでは人を呪うための呪法が行われている。それがすべての原因だ」
「呪……って。そんなのほんとにできんの!?」
「だれかがワラ人形にクギでも打ってるってのか!?」
麻衣とぼーさんが驚きながら声を荒らげると、ナルは首を横に振る。
「近いが、ちがう」
「呪詛と霊となんの関係があんのよ」
「人形に釘を打つ呪法は、もともと陰陽道からきたものだ。麻衣と結衣のために簡単に説明するが──陰陽道には人を呪う方法に『厭魅』というものがある。人形や呪う相手の持ち物を使う呪法で、そもそも“ワラ人形に釘を打つ”というのは厭魅の術なんだ。ふつう呪いのワラ人形というと、人形に釘を打った人間の恨みの念が相手に伝わることで害をなすと考えられるが──呪者……呪いを行う人間は人形に釘を打つことで神や精霊に呪殺を頼むんだ」
あたしは目を見張った。
まさか、呪いが神や精霊に呪殺を頼むものなんて知らなかったから。
「それを受け入れて、神や精霊が相手を呪殺に向かう──つまり、呪者野は厭魅の法を行うことによって神や精霊……果ては悪霊を使役することになる」
ナルの説明に全員が黙ってしまう。
(じゃあ、美術準備室や吉野先生の件はみんな悪霊のせい……?)
ナルの説明を聞いて、考えるとしたらそうなる。
「いま、この学校でおこっているのは間違いなく厭魅だと思う。だれかがこの学校の関係者に対し厭魅の法を行い、呪われた相手のもとに悪霊が訪れる。悪霊は一晩で相手を殺す力をもたず、苦しめながら徐々に死に導く。──まあ、これは仮説だが……そのせいで学校じゅうに『変なことがとおこっている』という噂がたち──」
「神経質なお人やったら、影響をうけてしまいますね。自分にもなんぞあるんやないかって」