第4章 放課後の呪者
(ぼーさんか、綾子が来てくれたら……)
誰か来てくれたら、麻衣も安心するはず。
なんて思っていれば、会議室の扉がノックされた。
「どうぞー」
声をかければ、笠井さんが顔を覗かせた。
「……こんにちは」
「笠井さん」
「こんにちは〜!」
笠井さんは辺りを見渡してから、真向かいの席に座る。
「二人だけなの?」
「あ……うん。みんな、まだで……」
「……あの、仕事……はかどってる?」
「え?」
何故、気になるだろうと思ったが心当たりがあった。
恐らく笠井さんは今回の騒動が自分のせいじゃないかと気にしているのだろうと。
「……うーん……まあまあかな。とかいって、あたし達はなにもしてないけど」
「霊能者じゃいからねえ、あたし達」
二人揃って『へへ……』と笑う。
もしあたし達が霊能者とか、除霊が出来ればもっと皆の役に立てるはず。
なんとも歯がゆいことである。
「……あのね、恵先生が手伝えることがあったら言ってくれって。感動してたよ、渋谷さんが陰陽師だって話したら。あたしも手伝うからなんでもいってよ」
「ほんと?ありがとー」
「助かるよー!」
なんて話していれば、会議室の扉が開いた。
誰か来たのかなと思えば、そこにはナルとリンさんがいた。
「……笠井さん?」
「じゃ、あたし教室帰るね」
「うん、またね」
「色々、ありがとー」
笠井さんはナル達に頭を下げると、そのまま会議室を出た。
ナルは笠井さんを視線で追っていたが、直ぐにその視線を逸らして机へと向かって歩き出す。
「お茶いれるね」
「ああ」
「……目が赤いよ。寝不足?」
麻衣の言葉で気付いたが、確かにナルの目が赤い。
よく寝不足とかである目の赤さであった。
「──ああ。朝まであいつとにらみあってた」
ナルの言葉に、会議室に静寂が満ちる。
あいつ……というのは、もしかしてあの時の女のことだろうか。
「……まさか、きのうの……?」
「ああ。麻衣と結衣のカンはあたったな。ゆうべ、ぼくの部屋に出た。視線をそらしたらまずいと思ったんで、一晩中にらみあいだ」
「そん……」
なんで睨み合っていたんだ。
と言おうとする前に、リンさんの言葉が響いた。
「どうして、わたしを呼ばなかったんです?」