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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第4章 放課後の呪者


白い着物姿に長い黒髪。
ニヤリとナルと麻衣を見ている表情は不気味で、あたしが息を飲んでいるとぼーさんが叫んだ。


「──ナウマク サンマンダ バザラダンカン!」


真言を唱えると、女は天井へと消えていく。
同時に会議室の明かりがついたが、麻衣がそのばに座り込んでしまった。


「麻衣!」

「なんだ、いまの!?」

「……とうとうここにも現れるようになったらしいな。これで今回、原さんは頼りにならないとわかったわけだ」


麻衣は若干震えていた。
そんな彼女を抱き締めながら背中をさすっていれば、ぼーさんがこちらに歩み寄り、麻衣の頭を撫でる。


「だいじょうぶか、麻衣」

「麻衣、だいじょうぶ?」


ふと、麻衣が強ばった表情になっているのに気が付いた。
さっきの事がよほど怖かったのだろうと思いながら、背中を摩る。


「麻衣?」

「──あれ……ナルをねらってるんだ」

「え?」

「なに?」

「あの女、この部屋じゃなくてナルに現れたんだよ。ナルがあぶない!」

「……麻衣?」

「きのう、結衣とまた同じ夢で見たの!学校じゅうにいっぱい鬼火がいて、あれはその一つなの!なんであたしがわかるのか、わかんないけど、でも!みた瞬間すごく悪いものだってわかったんだもん!」


パニックに近い状態の麻衣を、なんとかぼーさんと一緒に宥めた。
暫くしたら麻衣は落ち着いたのだが、あたし達が来たことにほっとしたのか分からないが眠ってしまった。

昨日の鬼火の件で、あたし達は少しだけ寝不足だった。
気になりすぎて眠れなかったわけであり、あたしは眠った麻衣の頭を撫でる。


「ごめん、ちょっとだけ寝かせてあげて。鬼火の夢見てからちょっと寝不足なんだ」

「また、同じ夢見たのか?」

「うん。そう、またなの」


ナルは嫌味を言うこと無く、無表情で眠る麻衣を見下ろしていて、ぼーさんは心配そうに見ていた。


「鬼火……というのは、どういうことなんだ?」


ナルが静かに問う。
流石に夢の中で鬼火を指さしていた……とは言えないので、そこは濁した。


「うたた寝しちゃった時、また麻衣と同じ夢を見てね。夢の中にこの学校の校舎があって……あちこちに鬼火があったの。すごく嫌なもの……そんな感じがした。たぶん、麻衣はそのひとつがさっきの女だと感じたんだと思う」
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