第4章 放課後の呪者
「PK―LTってのは生物に影響を与える力で……さっきいったニーナ・クラギーナがそうだな。手を触れるだけで病気を治すわ、カエルの心臓を止めるわ……たしか、彼女はPK―STも持ってたかな。あとPKの大物っつったら……イギリスのオリヴァー・デイヴィスか。彼もPK―STだ」
「オリヴァー・デイヴィス……」
「ふつうのPKで動かすものってのは、マッチ箱とかスプーンなんて小物だ。ところがこのヒトはすごいぜ〜」
ニヤリと笑ったぼーさん、あたし達の元に歩いてくるので思わず麻衣と共に数歩後ろに下がった。
彼のその表情は何処か尊敬しているかのようなものであり、瞳がキラキラと輝いている。
「何年か前の実験で、五十キロもあるアルミの塊を壁に叩きつけたっていうからなー」
「そんなのできるの!?」
「五十キロのアルミを!?」
まさかの話に、あたしと麻衣は驚愕。
そんな事できる人が世の中にいるなんて思っていなかった。
スプーン曲げだけでも凄いのに、五十キロのアルミを壁に叩きつけるなんて普通の人が出来ることじゃない。
「デイヴィス博士はPKというより、サイ研究者の印象が強いですね。あまり表舞台にも登場せえへんし」
「そんなスゴイ人でも、PK―LTはできないみたいだしな。それがゲラーってのは、あらゆるPKにESPっていうんだからなー」
「そういうもんなんだー……」
「なんか、勉強になったなあ……」
「……それはともかく──」
それまで静かに話を聞いていた、もしくは無視していたナルが言葉を挟んできた。
「とりあえず重要なのは、笠井さんが自分の能力を信じていたということだ。彼女は教師の攻撃を非常に不当だと感じていた。その結果が──」
「『呪い殺してやる』?」
「じっさいにできるかね。クラギーナぐらいのPK―LTならともかく」
「それはそうなんだが……。──とにかく、いまの状況をなんとかするほうが先だ。除霊にかかろう」
そうして、またぼーさん達は除霊へと向かった。
勿論あたしと麻衣は会議室でお留守番である。
「今回は手こずってるよね……」
「うん。陸上部の部室も、例の席も効果ないみたいだもんね」
ぼーさん達は、陸上部の部室に例の席も除霊した。
だがイマイチ効果がないらしく、手こずっているのだ。