第4章 放課後の呪者
「なぜです?スプーンを曲げるくらいぼくだってできます」
まさかのナルの発言に、あたしと麻衣は目を見開く。
笠井さんや産砂先生を驚いた表情をしているが、ナルだけが『それがなんですか?』と言わんばかりの態度。
「……できるの?」
「できます。PKを信じない心霊研究者なんかいません」
ナルの発言に笠井さんは何とも言えない表情を浮かべ、机に置いてあったスプーンが入った容器から、一つのスプーンを手に取るとナルに差し出す。
「やってみせて」
笠井さんからスプーンを受け取ったナルは、何かを考えるような悩むような表情を浮かべる。
「……しかたないか」
ため息を吐き出すナルに、あたしと麻衣はハラハラする。
本当に出来るのだろうかという不安があるが、ナルは出来るような態度をしている。
大丈夫なのだろうか。
そう思いながら、様子を見守っていればナルは指先をスプーンの先に押し当てる。
するとぐにゃりとスプーンは曲がってしまい、そのまま曲がったところが落ちてしまったのだ。
「……うそ」
曲がった所が落ちた音と、あたしの声が響いた。
暫くその場は静寂に包まれてしまい、誰もが動けなくなってしまう。
そんな中で、ナルは折れたスプーンを笠井さんに渡す。
彼女はスプーンだったものを見て、驚いた表情を浮かべたが、ぽつりぽつりと話してくれた。
「──夏休みに、テレビの深夜番組を見てたの。そこで、スプーン曲げをやってて……。それでなんとなくマネしてるうちに曲げられるようになったんだ」
笠井さんはそう話しながら、折れたスプーンをくっ付けてしまうとそれを机に投げ出した。
「何回やってるうちにどんどん深く曲がるようになったの。あんたみたいに折ったりはできないけど」
「ゲラリーニ現象だね」
「へ?」
「ゲラリーニ?」
ぽかんとするあたしと麻衣だが、産砂先生が説明をしてくれた。
「……昔、ユリ=ゲラーという超能力者の放送を見たりきいたりした人が、超能力に目覚める現象がおきたの。そういう人のことを『ゲラリーニ』と呼んだのよ」
「……おくわしいですね。笠井さん、いまでも曲げられますか?」
ナルの言葉が挑発のように聞こえたのか、笠井さんは怒ったようにスプーンを手に取る。
「できるよ!」