第4章 放課後の呪者
「……松崎さんもついていってください。霊がいるようなら除霊を」
「ああーら。真砂子にはなにも言い返さないわけー?いつもならずいぶんなコトいってやりこめちゃうくせに」
綾子は挑発じみた言葉を言う。
だが確かに綾子の言う通り、ナルはいつも真砂子だけには嫌味を言わないのだ。
そこが不思議だと思っていれば、ナルは不適切な笑みを浮かべた。
「よけいなことをいう暇があったら、除霊の才能を発揮していただきたいものですね。そろそろ松崎さんの活躍をはいけんしたいんですけど」
ばっさりと言われた綾子は撃沈。
何故かナルは綾子とかには本当に容赦ないのである。
真砂子には何故か甘いのが気になるところだ。
(ホント、なんでだろうねえ。真砂子に弱みを握られてるのかな、やっぱり)
それか、ジョンが言ってた通りに真砂子の父親がナルの後援者なのか。
なんて思っていれば、ナルは全員に指示を出していた。
「とにかく今回は事件が多すぎて機材の数がたりない。みんなの霊感だけがたよりだ。校内を回る時はそれを持っていってください」
ナルは数台のヘッドフォン型のマイクを渡す。
「麻衣と結衣はここで連絡を待て」
「りょーかい!」
「ラジャ!ほんでナルは?」
「ぼくとリンは調査を続ける」
そうして、各自仕事に出た。
ぼーさんはジョンと、真砂子は綾子と、ナルはリンさんと。
そしてあたしは麻衣と共にベースで待機。
いつもの事ながら、あたしと麻衣が出きることは雑務。
みんなのようにお祓いとかが出来るわけじゃないし、ナルやリンさんみたいに何かを調べるような能力もない。
「相変わらず、あたしたちの仕事って地味だよねえ」
「だねえ。なんだかんだいって、あたし達の仕事って雑用だもんねえ」
麻衣は暇そうにシャーペンを弄る。
「一回でもいいから、カッコよく除霊してみたいよなあ。そしたらナルだって……」
「ナルだって?」
麻衣のポロッとした発言にニヤリと笑った時である。
会議室の扉が音を立てて開き、その音に肩が跳ねて驚いてしまった。
慌てて扉の方へと視線を向ければ、そこには高橋さんの姿。
「……び、びっくりした……」
「高橋さんかあ……びっくりしたあ」
「ごめんごめん。なにやってんのー?」