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ハツコイソウ【ゴーストハント/滝川法生】

第4章 放課後の呪者


「すみません、あのう。ここにくるようにいわれたんですけど……」

「あのー。音楽室でヘンな音が聞こえるんですう」

「なんか同じとこばっかケガするんですけど」

「だれかにつけられてる気がして……」

「だれもいない教室で──」


それから夕方近くまで、あたしたちは相談内容を聞いた。
空はいつの間にか茜色になっていて、会議室にはぼーさんの叫び声が響く。


「どーなっとんじゃこの学校はーーーっっっ!!!」


ぼーさんは叫びながら、依頼書を机に投げる。
その数と言ったら……とにかく大量であり、数えるのが馬鹿らしくなってしまうほどであった。

朝から夕方の下校時刻まで、ひっきりなしに相談があった。
中には冷やかしのようなものもあったが、それ以外は恐怖を覚えるかのような話が多い。


「こんだけの量、だれが除霊するってんだよ!おれか?おれなのか?もーいっそ泣かせてーっっ」


あたしと麻衣は苦笑いしながら、校長先生が持ってきてくれたポットでお茶を用意する。
こういう時、あたしは何できないから申し訳ない気持ちになってしまう。


「──尋常じゃない」

「あー?」

「一つ一つの事件自体はそうたいしたものじゃないと思う。でも、この数はふつうじゃないと思わないか?同時期に同じ場所でこれだけの数の事件……。これがすべて事実だとしたら、ぜったいに原因があるはずだ」


ナルの言う通り、この数は尋常じゃない。
一つ一つは確かに大したようなものではないが、その大したものじゃないのが多すぎるのである。


(この学校……何が起こってるっていうんだろう)


*************

ー翌日ー


翌日、ナルは助っ人を呼んだ。
いつものメンバー、つまり綾子とジョンに真砂子である。
流石にあたし達じゃ手に負えないということで呼んだのだ。
ちなみにリンさんもいる。


「原さん。校内を見てみてください。とりあえず霊が出るという机と美術準備室……事故の続く席と陸上部の部室を」

「真砂子と呼び捨てにしてくださってかまいませんのよ?」


真砂子はにっこりと、お上品に微笑む。
そんな真砂子の発言に麻衣が目を見開き、あたしはぼーさんと苦笑を浮かべていた。

そんな真砂子の発言に、ナルは息を吐き出したかと思うと無視してしまった。
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