第4章 放課後の呪者
その話を聞いたあたしはまたゾッとした。
だが話はそれだけじゃなくて、相談しに来た子のもう一つの話に更に背筋が震える。
「それと友達がこないだ入院したんですけど、あの肝試しをいっしょにやった子です。彼女の机にあれ以来幽霊が出るようになったって」
「机に?」
「はい、あの……授業中とつぜん金縛りにあって。誰かがお腹の辺りを触る感じがして見てみると──机の中から人間の手首が出ててお腹を撫で回してるらしいんです」
その話を聞いたナル以外のあたしたちは恐怖で青ざめた。
「それが何度もあって。そしたら胃に穴があいちゃったって……」
話を終えたその子は会議室をあとにした。
会議室の机には依頼書が七枚以上置かれてあり、それだけあたし達は怖い話を聞いているわけだ。
こういうバイトをしているからと言って、別にあたしも麻衣は怖いものが平気というわけではない。
なんなら怖いものは苦手である。
「〜〜う〜〜。あたしもうコワイ話聞きたくない〜」
「あたしもこれ以上聞きたくない〜」
なんて話しているが、怖い話は続々と来るらしい。
また会議室の扉がノックされ、ショートヘアーの可愛らしい女の子ともう一人の女の子が顔を覗かせた。
「しつれーしまーす」
ショートヘアの彼女はぼーさんを見ると、表情を変えた。
嬉しげにぼーさんの元に走っていったのである。
「ほんとにきてくれたんだー♡」
「おう、紹介するわ。この顔のいいのが渋谷サイキック・リサーチの所長で渋谷。そっちの嬢ちゃんたちが助手の谷山結衣と麻衣。ちなみに双子の姉妹な」
「あたし、高橋優子っての。ヨロシクね」
こちらの高橋さんが例の追っかけの子らしい。
あたしたちの一つ年上らしく、可愛らしい容姿にぼーさんと親しい。
その間からにあたしは少しだけ嫉妬していた。
(今は仕事!バイト中!そーいう感情は捨てる!)
なんて言い聞かせながら、自分の手の甲をつねった。
「さっそくですが……問題の席に座って事故にあった人はいますか?」
「あ、ハーイ。あたしです」
ナルの問に手を挙げたのは、高橋さんと一緒に来た子。
「あたしが事故にあったのは二番目なんだけどー。電車を降りて歩き出したら急に腕を引っ張られて、ドアに挟まれちゃったのね」