第29章 川品中央総合病院
2人の様子を微笑ましく見守っていた店員さんも、椛からの感想を待っている様だった。
椛「物凄くタイプです…」
彼女の返答に、安室は少しホッとした様な、それでいて嬉しそうな表情を浮かべていた。
店員「ご試着されますか?」
安室「えぇ、彼女が気に入ればこのまま着て行きたいのですが。」
そう言って、先程ナイフが掠って裂けてしまったワンピースの裾部分に目を向ける。
店員もその安室の目線の先に目を向けると、彼の意図を理解したのか…
店員「かしこまりました。
そちら展示用ですので、今新しい物をご用意致しますね。」
サイズを確認し、バックヤードから新しい物を持ってきて試着室へ案内すると、椛に手渡した。
着替えが終わると、試着室のカーテンから顔を覗かせる椛。
試着室の外では、着替えが終わるのを待っていた安室の姿が直ぐ側にあった。
安室「どうでしたか?」
椛「うふふふふ♪」
カーテンから顔だけ出して、嬉しそうな表情を浮かべている彼女の様子に思わず笑みが溢れる。
安室「はははっ!
その反応は良かったと言う事かな?
勿体ぶらないで早く見せてください♪」
彼の言葉にカーテンを開けて試着室から出て来る。
カーテンが開く音がして、少し離れた所で待っていた店員も再び試着室前にやってきた。
店員「わぁ!
やはり本当によくお似合いですよ!!」
椛「ありがとうございます♪」
店員「お店に足を踏み入れてから、脇目も振らずに真っ直ぐそのワンピース手に取られてましたもんね!
流石、奥様の事、よく分かっていらっしゃいますね♪」