第25章 コンフィデンシャルのその先に
降谷「僕は警察庁警備局警備企画課所属の警察官、降谷零です。」
椛「…はい。」
もちろん最初から知ってるけど、こうして本人から改めて自己紹介される事になるとは…
急に凛々しい表情で名乗るものだから、その迫力に背筋が伸びる。
『これが公安の時の顔なんだな〜』と思いながら彼の次の言葉を待ち、様子を伺う。
降谷「先日、管理官から聞きました。
椛さんが、管理官の協力者だと言う事も。
その経緯も。
そして依頼内容も。」
椛「はい…
今まで黙っていてごめんなさい。」
彼の言葉に、突如俯き謝る。
彼女の詫びを聞いて、降谷の表情が困った様に緩んだ。
降谷「いや、椛さんが謝るような事は一つもない。
むしろ、謝らなきゃいけないのは俺のほうだ。」
椛「?」
彼の言葉に顔を上げた彼女と、視線が重なった。
そこには、酷く申し訳なさそうな表情を浮かべた彼女の姿。
そんな彼女を安心させたくて、降谷は手を伸ばし、昨日より体温と血色が戻ってきた彼女の手を優しく両手で包み込んだ。
降谷「椛さんは俺が知らないところでも、きっと沢山力を貸してくれていたんだろう?
そして助けてくれていたんだろ?
一昨日の件だってそうだ。
本来、人を助ける側の警察官の俺が、君に助けられた。
そしてその代わりに椛さんは怪我をした…
公安どころか、警察官失格だよ俺は…」
椛「そんな…
怪我をしたのは私の不注意というか…
あれはもうほぼ事故みたいなものだったし。
むしろ安室さんの助けがなかったら、実際私はあのまま溺れていたかもしれないし…。
安室さんが謝る様な事は一つもないですよ。」