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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第24章 【失われた髪飾り】


「行ってこいクリス!それくらいの時間は稼いでやる!」
「分かった!ルーナ、案内してくれ!」
「うん、こっち!」

 クリスはルーナの案内のもと全速力で廊下を走った。途中、肖像画の人物たちが我先にと逃げまどい、ゴーストたちもあっちに行ったりこっちに行ったりと、城内は酷く混乱している。
 クリスとルーナはそんな混乱の中をただひたすら走り続けた。そして4階の渡り廊下に着いた時、髪が長く細身で神経質そうなゴーストと出会った。

「ヘレナ、貴女が会いたがっていた人を連れて来たよ」
「……えっと、ミズ・ヘレナ?貴女が分霊箱の在りかを教えてくれるんですか?」
「分霊箱……いえ、『失われた髪飾り』の在りかです。ですがそれももう過去の事。『失われた髪飾り』はつい先ほど完全に失われました」
「失われた!?それはどういうことですか!?」
「ついて来ればわかります」

 そう言うなり、ヘレナはスーッと廊下を滑るように移動した。クリスは何が何だか分からなかったが、交戦中の皆の為にも早く分霊箱の隠し場所を知りたくて、黙ってヘレナについて行った。
 着いた先は必要の部屋だった。何故こんな所に……?クリスは一瞬首をかしげたが先ほどのヘレナの言葉を思い出しハッとした。

「もしかして、さっきのキメラが……!?」
「えぇ、先ほどのキメラの炎が……『悪霊の炎』が他の荷物と一緒に『失われた髪飾り』を灰燼に帰しました」
「では、どうしてその話を私だけに?」
「私は……私は長い間、懺悔がしたかったのです。あの少年に、トム・リドルという少年に『失われた髪飾り』の隠し場所を教えてしまったことをっ……」

 ヘレナはすすり泣きながら、クリスの足元に跪き両手を固く組んだ。こぼれる涙は真珠の様に綺麗で、クリスは思わず呆然とそれに見入ってしまった。

「トム・リドルは数十年前、私が母から奪った『失われた髪飾り』をこの部屋に隠しました。それを知っていながら、私は今まで誰にも真実を明かすことが出来ませんでした」
「母から奪ったって……まさか――?」
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